日本共産党の宮本徹議員は2日の衆院予算委員会で、東京都心の上空で米軍ヘリによる危険な低空飛行が常態化している問題をとりあげ、米軍に抗議して低空飛行をやめさせるよう迫りました。
宮本氏は、浜松町オフィス街の上空などで米海軍ヘリコプターがビルの上をかすめるように低空飛行する動画(「毎日」、2月26日公開)を紹介。日本の航空法が定める「最低安全高度」を下回る飛行が計17回確認されたと報じられているとして、「人口密集地の上空で危険な低空飛行が常態化している。米軍に事実を確認したか」とただしました。
岸信夫防衛相は「動画は見たが事実関係は確認中だ。コメントは控える」と答弁。茂木敏充外相は「動画だけで(高度)何メートルを飛んでいるか判断が難しい」と逃げました。
宮本氏は、「動画は高さ200メートルから撮影され、それより低い高度で飛んでいる」と強調。日本の航空法は人口密集地で航空機の周囲600メートルで最も高い障害物の上空300メートルを「最低安全高度」と定めており、航空法に違反すると指摘。さらに、「在日米軍は日本の航空法に規定される最低高度基準を用いる」とする日米合同委員会合意にも違反しており、「日本の首相として米国にきっぱり抗議を」と迫りました。
菅義偉首相は動画を「私も見た」とした上で「ルールに基づいて飛行するのが当然」であり、「事実を確認してしっかり対応する」とし、抗議に関しては明言を避けました。宮本氏は、早急な事実関係の確認と米国への抗議を求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月3日付より)