BSに空きなら東北新社進出に道
日本共産党の山添拓議員は5日の参院予算委員会で、菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送関連会社「東北新社」が総務省幹部に接待を行った目的に、菅首相が総務副大臣当時から進めてきた「NHK改革」など看板政策がかかわっている疑いがあるとして、首相の責任をただしました。
衛星放送の審査基準などを議論する総務省の検討会(ワーキンググループ=WG)は、2018年5月に報告書案を出してから20年4月まで休止。再開後に同WGがまとめた報告書案には、東北新社側が要望したBS右旋で4K放送を認めることなどが新たに盛りこまれました。
山添氏は、WG休止中に接待の大半が集中していると強調。「BS右旋に空きスロットが生まれれば、目標の右旋進出に道が開けるからこそ、東北新社は接待、意見交換、情報交換に励んだのではないか」とただしました。
山添氏は、接待攻勢が続く中で2社がBS事業から撤退を発表していると指摘。さらに19年11月、総務省がNHKに既存事業の見直しを求め、NHKは同12月、BS1とBSプレミアムを統合するチャンネル削減を決定したことなどを挙げ、接待を受けた総務省側が「BS右旋に空き領域が出ることを知っていたはずだ」と迫りました。湯本博信前官房審議官は「承知していた」と認めました。
山添氏は、菅首相が総務副大臣だった06年に政府・与党によるNHKのBS見直しの動きが始まり、直後の総務相就任で正剛氏を秘書官に登用したことを指摘。正剛氏も当時、間近でNHKのBS見直しを知っていたとして、「菅首相は自身の責任を全く自覚していない」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月6日付より)