人生変わってしまう/痴漢被害   党都委調査から(中)

被害者の声を紹介しながらアンケート結果を発表する党都委ジェンダー平等委員会のメンバー=2月18日、都庁内(写真提供:しんぶん赤旗)

痴漢行為は、被害者のその後の人生をも変えてしまいます。アンケートには深刻な実態が寄せられました。

警戒心をものすごく抱くようになり、外出後とても疲れる▼盗撮被害後、エスカレーターに前を向いて乗れなくなった▼自転車に追い越されるのが怖くて仕方ない▼(被害後)15年以上、一人で外出したことがない

退学・退職も

退学・退職を余儀なくされた人もいます。

満員電車や座れない電車が怖くなり、途中下車してしまうため不登校に▼電車に乗ろうとすると過呼吸になり仕事を辞めた▼大学に進学したがPTSDにより1カ月で退学。発作や不眠症で仕事もできず生活困難な状態▼インターネットに盗撮写真と職場の最寄り駅や駅にいる時間を載せられて不安になり、15キロ太って見た目を変え、リモートワーク可能な職場に転職した

心身の異常を訴える回答は多数です。

不意に思い出すことがあり、誰かを殴りたい衝動に駆られる▼これ以上、被害にあいたくなくて胸や性器を取る手術をしようと考え、そのことで頭がいっぱいになって何も手につかなくなった▼(被害時を)思い出した時は心が過去に固定されて何もできなくなる。仕事中とか外への対応が必要な時は「ショックを受けている自分」と「大丈夫な自分」に分けて後者に対応してもらう

自分を責める

被害にあってしまった自分を責めて「死にたい」と書いていた人が13人もいました。

男性恐怖になった。恋愛も性交渉もできず、子どもも産めなかった。死のうと思って身辺整理もしたが死に切れなかった▼自分の価値がなくなったような気がして「誰とでも性的行為をしてもいい」というような自暴自棄な気持ちになった。自分を大事にしようと思えなくなった。自傷行為をすることもある

党都委ジェンダー平等委員会責任者の池内さおり前衆院議員は「一つひとつの回答が深刻すぎて、これまでこうした声が埋没し、犯罪として扱われてこなかったことにがくぜんとする」とのべました。

“たかが痴漢”ではありません。まさに「性差別に基づく暴力であって人権の問題であって本来ひとつもあってはならない性犯罪」(池内氏)です。

(つづく)

(「しんぶん赤旗」2021年3月3日付より)


寄せられた被害者の声を含む、アンケート結果はこちらからご覧いただけます

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