「死にたいというより、自分の存在を消したい」―日本共産党東京都委員会ジェンダー平等委員会が発表した、インターネットでの「痴漢被害アンケート」の結果から悲痛な叫びが聞こえてきます。
(足立裕紀子)
回答者1435人の大多数は被害経験のある女性です。A4用紙426枚を埋める読むのも苦しい告白…。
想像できない
同委員会メンバーの椎野大輔・青年学生部副部長は「私は男性ですが、女性がこんなにも暴力にさらされ続けていることを、申し訳ないですが、知らなかった。多くの男性には想像できないと思う」と率直にのべました。
電車・駅、バス、路上、職場、学校、保育園、図書館、古本屋、プール、ライブハウス、映画館、トイレ、浴室…被害はあらゆる場所で起きています。
被害時の年齢は、「幼少期から大人になるまでずっと」という人もいて、18歳以下が71.5%、小学生(12歳)以下が34.5%。特に制服の中高生が通学の電車内で連日の被害にあっています。
また小学生以下の場合、「助けを求めていいのかがわからなかった」「何をされたか理解できなかった」との回答が目立ちました。
“氷山の一角”
体を触られた被害が多いものの「買い物かごにスマホを入れて盗撮された」「路上で『いくら?』と言われた」「性的画像を送りつけられた」など様々です。
暴力・脅迫を伴い、命の危険を感じさせる事例さえあります。
密着をやめてほしくて肘鉄したら殴られた▼ナンパを断ったら平手打ちされた▼腹部にカッターが当たっていたので抵抗できなかった▼痴漢された後、ホームで腕をつかまれトイレに引きずり込まれそうになった▼後ろから抱きつき、首を締めながら「殺してやる」。苦しくて力が入らなくなると体をまさぐる…
「具体的には言いたくない」「書くのは心がしんどくて、少し難しい」との回答もあり、アンケートに寄せられた被害は”氷山の一角”でしかありません。
(つづく)
(「しんぶん赤旗」2021年3月2日付より)