総務省問題 菅首相、否定できず
日本共産党の山添拓議員は15日の参院予算委員会で、放送・通信事業に許認可権限を持つ総務行政を接待でゆがめた疑いについて、参考人として出席した放送関連会社「東北新社」の中島信也社長、NTTの澤田純社長をただしました。
山添氏は、東北新社の外資規制違反の可能性について、木田由紀夫元役員以外に、総務省幹部を接待した二宮清隆前社長、三上義之前取締役、首相長男の菅正剛氏が認識していたのかと質問。中島社長は「二宮、三上、木田は認識していた」と認め、正剛氏については「報告を受けていない」と答えました。
山添氏は、規制違反の可能性がある中でのBS放送認定と、違反の可能性を脱法的に回避する子会社への事業承継が見過ごされたと指摘。総務省の検討会でも同社側の望む方向で報告書案がつくられたとして、「その間、接待が続けられ、正剛氏が重要な役割を果たしたことがうかがわれる」と強調しました。
菅首相は「総務省の第三者委員会で対応する」と答弁。山添氏は「行政がゆがめられたことはないと答弁してきたのに、否定できなくなっているではないか」とただしました。
NTTが歴代総務相、同省幹部と会食を重ねた目的について山添氏は「携帯電話料金値下げを看板に掲げる菅総理と、グループ再編を狙うNTTの思惑が一致したからにほかならない」と主張。澤田社長は、NTTがドコモの完全子会社化を発表する前に総務省に問い合わせたと認めました。
山添氏は、NTTのみに利益が集中しかねない完全子会社化を菅政権が事前の検証もなく認めたのは、ドコモが携帯料金値下げに応じるのと引き換えだった可能性を追及。「菅首相の看板政策の裏で、露骨な利益誘導ではないか」と批判しました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月16日付より)