日本共産党の山添拓議員は18日の参院予算委員会で、NTTがドコモの完全子会社化を進めていた昨年11月に、武田良太総務相が澤田純NTT社長と会食したことを追及しました。これまで「国民の疑念を招くような会食に応じたことはない」と繰り返してきた武田総務相は、澤田社長と会食の場で会ったことを認めました。
山添氏は、会食の時期が完全子会社化を進めるTOB(株式公開買い付け)の終盤だったと指摘。NTT法19条が職務に関する収賄に対し罰則を定めていることにふれ、職務の公正性が重要な時期に会食したのは、「半ば官官接待ではないか」とただしました。武田総務相は「NTTは官ではなく上場企業だ」と言い逃れました。
山添氏は、政府が出資比率(持ち株比率)を規定している特殊企業だと反論。NTTにドコモへの出資比率の引き下げを求めた「3カ年計画」(2001~09年度)を閣議決定していたことをあげ、政策を転換する完全子会社化について「なぜ何の議論もないのか」と追及しました。
総務省の竹内芳明総合通信基盤局長は「情報通信分野は変化が激しく、国際競争に打ち勝っていくため、経営者の判断で実施する決定に手続きを求めない」と答弁。山添氏は「NTTの情報通信網は、もとは国民の財産だ。経営判断で決めてよいものではない。政策を変えるなら十分検証し、説明すべきだ。行政をゆがめた疑いはますます強まっている」と批判しました。
武田総務相は18日の衆院総務委員会で、会食は昨年11月11日、JR東海の葛西敬之名誉会長の呼びかけで行われ、「食事は注文せず、ビール2、3杯程度をいただいた後、退席した。費用として1万円を支払った」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月19日付より)