日本共産党の山添拓議員は26日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス変異株が各地で確認される一方で感染経路を追えていない国の責任をただし、変異株確認の検査の拡大に向けた支援を求めました。また、感染再拡大が懸念されるもとで「東京五輪は開催ありきではない検討が必要だ」と強調しました。
変異株の感染経路の追跡状況について田村憲久厚生労働相は「すべて追えているわけではない」と答え、山添氏は「結果として水際対策が失敗したということだ」と批判しました。
山添氏は、変異株の有無を調べる「スクリーニング検査」について、東京都ではPCR検査の93%が民間検査機関で行われていると指摘。「試薬と人件費の負担が特に大きい。財政支援がはっきりせずでは踏み出せない」と支援を求めました。
田村厚労相は「できる限り、各自治体で把握できるところには十分な資金、技術移転をする」と答えました。
山添氏は「水際対策ができていないのに五輪ができるのか」との懸念の声をあげ、公表されている感染症対策は変異株の発生前のものだと追及。丸川珠代五輪担当相は、選手らを外部と接触させない「バブル方式」を基本にすると答弁し、山添氏は同方式が成功したのは、国内では4カ国が参加した体操の世界選手権ぐらいだとして「(選手は)約30人だ。五輪とは規模が違う」と指摘しました。
さらに山添氏は「懸念されるのが医療提供体制だ」と強調。大会組織委員会が決める「大会指定病院」には、コロナ専門で新規外来を止めている都立広尾病院も含まれる予定だとして、五輪対応ができるのかただしました。
丸川五輪相は「組織委員会が決める話だ」と無責任な答弁に終始。山添氏は「あくまで”開催ありき”だ。このまま突き進むのは無謀だ」と批判しました。
(2021年3月27日付「しんぶん赤旗」より)