21年度予算案に対する山添拓議員の反対討論(要旨)

参院本会議

(写真提供:しんぶん赤旗)

日本共産党の山添拓議員が26日の参院本会議で行った2021年度予算案(同日成立)に対する反対討論の要旨は次の通りです。


相次ぐ法案の誤りに抗議します。前代未聞の国会軽視であり、法案審議の前提を欠く事態です。提出法案の調査と是正を求めます。

本予算案に反対する理由は、コロナ対策予算が極めて不十分だからです。

それどころか、社会保障費削減、年金マイナス改定など、軒並み負担増を強いるものです。しかも、病床削減推進法案と高齢者医療費2倍化法案を押し通そうとしています。コロナ下、社会保障の脆弱(ぜいじゃく)さが露呈し、この上、自己責任を押し付けるつもりですか。

マイナンバーカードの普及促進やデジタル庁創設など不要不急の予算が多すぎます。軍事費は、過去最大の5兆3422億円です。国民生活の厳しさをよそに、新型イージス艦の取得などにまい進する姿勢は異常です。

格差拡大のもとで、税制のゆがみを正すべきです。消費税の5%への減税に背を向けています。富裕層や大企業に応分の負担を求める転換こそ急務です。

感染第4波を招くことがないよう政策と予算を集中すべきです。

高齢者施設や医療機関での定期的検査が必要です。モニタリング検査は1日10万の規模へ拡充を、変異株を確認する検査割合の大幅引き上げを直ちに行うべきです。自治体任せとせず政府が戦略をもち検査を大規模に拡充するよう求めます。

医療機関が抱える赤字は人件費に跳ね返ります。減収補てんで全体を支えるべきです。

第3波でくらしと経済への打撃が深刻化する中、野党は衆院で持続化給付金再支給の法案を提出しました。中小企業や農林水産業を支える方向での改善を求めます。文化の灯を絶やさないために、実効性ある支援が必要です。シフト制労働者の休業支援金で「企業規模で給付に差をつけるのはおかしい」との声に応えるべきです。

女性にとりわけ困難をもたらしています。女性が多く担う業務が非正規に置き換えられ、正規でも看護師や介護士、保育士など「ケア労働」が低い処遇にとどめられてきました。ジェンダー不平等が当たり前の構造的な問題を改めるよう求めます。

東日本大震災と東電福島第1原発事故から10年。「ふるさと喪失」慰謝料が裁判で認容されています。国と東電は被害を直視し誠実に賠償すべきです。柏崎刈羽原発で、原子力規制委員会が是正措置を命じたのは重大です。東電に原発を運転する資格はありません。

総務、農水、文部科学各省、接待や贈収賄の疑惑が底なしの広がりです。全容解明へ関係者の国会招致などに応じるよう求めます。

(2021年3月27日付「しんぶん赤旗」より)

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