日本共産党東京都議団の和泉なおみ幹事長は26日、2021年第1回定例会閉会にあたり、談話を発表しました。要旨を紹介します。(全文はこちら)
新型コロナを抑え都民の命・くらし・営業を守る提案
新型コロナが都民のあらゆる分野に影響を及ぼす中、どの党が対策を示しているかが問われました。第4波が指摘される中、小池知事は都民へのお願いが中心で自己責任を押し付ける対応が基本で、対策も都独自のものはほとんどありません。
党都議団はコロナを抑え、命とくらしを守る「五つの提案」を示しました。
(1)検査の拡大―感染多発地域での集中検査と、重症化リスクの高い施設への一斉・定期的検査による戦略的検査を提案しました。現状の1日7千件のPCR検査を都が持つ6万8千件の能力を生かし、変異株検査も引き上げるべきです。
(2)医療体制の確保―医療機関融資は当初予想の2.4倍で、深刻な事態を打開するために減収補てんが必要です。
(3)保健所増設・拡充―23区は各区1カ所にたいし、多摩地域は17を7に減らしてしまいました。保健所の増設が必要です。感染症の調査研究を行う地方衛生研は都内に1カ所(人口1400万人)だけで、都道府県平均で1カ所あたり200万人とくらべて7倍で、ただちに増設が必要です。
(4)都立・公社病院の独法化は中止を―独法化検討の中で「稼ぐ医療」として海外の富裕層への「医療ツーリズム」を検討していたことが共産党の情報開示請求で明らかになりました。今定例会で独法化の定款は提案されませんでした。一方、独法化中止の請願に都民ファ・自民・公明などが反対したことは重大です。独法化中止のため全力で取り組みます。
(5)東京五輪は中止しコロナ対策に集中を―国内世論は中止・延期が7割超。コロナ収束のため持てる力を集中することが必要です。
予算の2.3%組み替えで都民要求77項目実現を提案
都の予算は巨大開発と大型道路建設中心の”自民党型予算”となっています。
まちを分断する特定整備路線などの大型道路建設に巨費を計上し、陥没事故の外環道へは反省もありません。カジノの調査予算は8年連続計上、羽田新ルートの機能強化調査予算も含まれ、とても認められません。
党都議団は、予算の2.3%を組み替えるだけでコロナ対策、35人学級拡大、国保の均等割軽減、補聴器購入助成など77項目の都民要求が実現できることを提案しました。
「こども基本条例」を子どもの参加で豊かに
厚生委員会で全会派共同で修正可決した条例は、わが党が提起した内容が幅広く取り入れられ、各種の子どもの権利を規定したことなど原案から重要な前進がありました。
付則で3年経過時に子どもの意見を聴く機会を設け、必要な措置を講ずることを規定していることが重要な点です。子どもが直接参加し必要な改正がされることで条例が実効性を持つと考えます。子どもの権利が保障される東京をつくるため全力をつくします。
都政をチェックし、都民要求を前にすすめる貴重な成果も
羽田新ルート、都心上空の米軍ヘリ飛行中止を迫りました。
痴漢被害の実態調査を示し、痴漢ゼロの東京を呼びかけると、知事が「被害を受けたことを声に出しづらい」との認識を示したことは大事な一歩です。都立高校の「地毛証明書」の改善を求めて質問し、教育長が、子どもを権利の主体として尊重することは重要と答弁したことは画期的です。
少人数学校推進、多摩北部医療センターへの産科設置、平和祈念館建設、核兵器禁止条約批准を国に求めることも要求しました。
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党都議団は4年間、野党第1党として都民と力をあわせ、くらしに役立つ都政に変えるため全力をつくしました。7月4日投開票の都議選で、新型コロナから都民の命とくらしを守りぬき、自己責任でなく都民を支える温かい都政へと切り替えるため全力をつくす決意です。
(2021年3月28日付「しんぶん赤旗」より)