大田区の中小業者や労働組合などでつくる「不況打開同区実行委員会」が3月23日、松原忠義大田区長にコロナ危機から中小業者・労働者・区民を守る緊急資金支援の実施を求め、大田区役所前で宣伝を行いました。
「ものづくりのまち」として知られる大田区は、工場数と従業員数が東京都の市区町村で1位、製造品出荷で3位を誇ります。全盛期は町工場が9300社以上存在していましたが、長引く不況に加え、新型コロナの影響により、今は3千社を切るほど激減しています。
当日は120人以上の中小事業主や個人事業主などが、プラスターや横断幕を掲げて参加。7人が代表してマイクを握り、コロナ禍で窮地に追い込まれている業者・区民の悲惨な現状や、持続化給付金、家賃支援給付金の追加給付、雇用調整助成金の特例措置等の延長を訴えました。
雪谷民主商工会(民商)の五十嵐肇事務局次長は、岩手県一関市が2月に不況業者に対し、一律40万円の給付金支給を発表するなど、全国で自治体が独自支援を開始している実態を報告。「区の21年度予算案には、業者・労働者・区民への直接支援がない。今は区民を守るべき」と、速やかな具体策を求めました。
大田地区労連の寺田末美事務局長は、東急多摩川線矢口渡駅付近から多摩川線を地下化し、京急空港線に乗り入れる新空港線(蒲蒲線)の事業費1260億円を取り上げ、「不要不急の予算を大胆に削減し、区民に使え」と強く要求しました。
蒲田民商の佐藤亦子理事は「GOTO事業に踊らされ、何の政策もなく放り投げられた」と怒りを抑えつつ震える声で訴え。「なぜ2度目の持続化給付金が出せないのか。トンネル、都内空洞化(蒲蒲線計画)の開発を進めるのではなく、地上で暮らしている私たちに直接支援を」と区民の思いを代弁しました。
要請宣伝は参加者全員のシュプレヒコールで締めくくり、庁舎に力強い叫びが響きました。
宣伝後、大田区内で金属加工業を営む蒲田民商の池田克憲会長は「今は毎月赤字。多くの町工場は、いつ廃業になってもおかしくない。もともとぎりぎりで生活しているので1割、2割の減収だけで生活苦に陥り、生きること自体が危うくなる」と語りました。