衆院委で可決
「病床削減推進法案」が7日の衆院厚生労働委員会で採決され、自民、公明、維新の会、国民民主各党の賛成多数で可決されました。日本共産党、立憲民主党は反対しました。共産党の宮本徹議員は質疑で、コロナ禍の教訓を踏まえて「医療提供体制は平時に一定の余力がないといけない」と強調し436の公立・公的病院に対する再編統合の検討要請や同法案の撤回を迫りました。
厚労省の迫井正深医政局長は、2025年までの「地域医療構想」通りに病床削減などが行われた場合、看護師は18年比で1割=約5万人が減り、20年度の「病床機能再編支援」で合計約3200床が削減されると答弁。宮本氏は「病床削減すればマンパワーもなくなる。感染拡大時にどう対処するのか」と追及し、再編統合対象の病院名リストと通知について「撤回すべきだ」とただしました。田村憲久厚労相は「撤回は難しい」と繰り返しました。
宮本氏は、同委の参考人質疑で出された「日本の医師不足は13万人」との訴えをあげ、医師や看護師の需要と供給の厚労省推計には▽女性比率を低く固定化▽長時間労働が前提▽感染症対応を未想定―などの問題があると指摘。「女性医師の比率は32%で頭打ちにしている。ジェンダー平等は進まない」として需給推計のやり直しを求めました。
田村厚労相は「実態が大きく変われば計画の見直しは当然ある」と答え、宮本氏は「女性の医学部入学率は37%まで上がっている。実態からもおかしい」と追及しました。
宮本氏は反対討論で、最大の問題は全額国庫負担で病床削減を加速させることだと批判。医学部の定員削減方針を撤回し、医師・看護師の抜本的増員と確保に転換すべきだと主張しました。
(2021年4月8日付「しんぶん赤旗」より)