清潔市政 取り戻そう
補助金不正やヤミ手当支給など汚職腐敗で揺れる東京都日野市長・市議補選が11日告示(18日投開票)されます。あるが精一市長候補(62)=無所属新、日本共産党応援=、わたなべ三枝市議候補(62)=共産党=の勝利で清潔な市政を取り戻すのかが最大の争点です。(東京都・川井亮)
同市では河内久男元副市長(79)ら3人が土地区画整理事業で虚偽の事業計画を作り、市の助成金をだまし取った詐欺容疑で逮捕・起訴されています。河内被告は市立病院の「院長相談役」として勤務しながら、土地区画整理組合の「理事長相談役」を違法に兼職して報酬を二重取り。2013~16年には、3年9ヵ月間にわたり1日6万円、総額2328万円のヤミ手当を受け取っていました。
河内被告はまた、市立たかはた保育園の廃止・民営化を主導。代替の民間保育園開設に対する市補助金が1.1億円から6 億円へと、異様に膨れ上がりました。
不正の解明 現市長は背
河内被告の不正は、自民党、公明党などが支えた馬場弘融前市長、大坪冬彦現市長の下で行われました。大坪市長は保育園民営化計画に、市まちづくり部長として関与し、河内被告が主宰した市の会議にも出席。市長として補助金の増額を決裁しました。
大坪市長は昨年9月の市議会で、保育園廃止・民営化への関与について「関わりが具体的にどのようなものであったかは把握していない」と答弁。
河内被告のヤミ手当問題でも10月の市議会で「決定権限のある者のいずれかが決定に関与したことは確か」としながら、「決定過程の詳細は明らかにならなかった」と減給処分にとどめる姿勢を示しました。あるが氏が、ヤミ手当で事実と異なる市側の答弁を追及したのにも、大坪市長は「その時、それが精いっぱいの答弁だった」と正当化しました。
あるが氏は、市議会で不正疑惑を一貫して追及してきました。疑惑の全容解明と、クリーンで公正な市政の実現を掲げています。
市民負担増 次つぎ実施
現市政は汚職・腐敗の一方で、市民には負担増を押し付けています。一昨年には国民健康保険税を値上げ。今年度予算でも介護保険料を値上げし、介護保険対象外の高齢者支援や生活道路修繕費用など福祉・暮らし施策を切り下げました。
3月に策定した「第6次行財政改革大綱」では使用料・手数料の「定期的な料金改定の検討」や、公立保育園・学童クラブの体制切り下げにつながる「民間活力の導入」を打ち出しています。
小学校トイレ洋式化は35%も残され、各地の自治体で進んでいる学校体育館エアコン設置も、日野市は中学校のみと遅れています。多摩地域26市で福祉予算は下位なのに、投資的経費はトップクラスという逆立ち市政です。
あるが氏は、市財政を圧迫する大型公共事業にメスを入れ、積極的なPCR検査や若者・高齢者・障害者への支援、18歳までの医療費無料化、全小中学校体育館のエアコン設置を進めると訴えています。
(2021年4月9日付「しんぶん赤旗」より)