日本共産党の宮本徹議員は14日の衆院厚生労働委員会で、75歳以上の人に窓口2割負担を導入する「高齢者医療費2倍化法案」が患者の受診控え・重症化を増やす危険性をただし、“ただちに健康に影響しない”との菅義偉首相答弁には根拠がないと批判しました。
宮本氏が2割負担の影響をただすと、厚労省の浜谷浩樹保険局長は年10万円以上の負担増になる人は、激変緩和中の約5千人から、3年後の緩和終了後には1万2千人になる試算だと答弁。緩和終了後の給付費削減分の年2190億円のうち1050億円が受診控えによるものだとの試算も明らかにしました。
田村憲久厚労相が「負担能力がある人に分かち合ってもらう」と言い訳したのに対し、宮本氏は2割負担対象の年収200万円でも、すでに受診を我慢している事例があったとの民医連の調査を示し、「負担能力があるというのは間違いだ」と迫りました。
宮本氏はどのような病気の患者に受診控えが多いかとただしましたが、浜谷局長は“受診控えはマクロの数字”で、疾病ごとの影響は示せないとの答弁に終始。過去の負担増に伴う受診控えの影響も示せないとしたため、宮本氏は、菅首相の「ただちに健康への影響を意味するものではない」(8日の衆院本会議)との答弁には「根拠がない」と批判しました。
糖尿病などで自覚症状が薄いと受診控えや重症化が起こりやすい実態を示し、「負担増の影響を分析もせず法案を押し通すのは無責任だ」と強調。負担は富裕層・大企業にこそ求めよと迫りました。
(2021年4月15日付「しんぶん赤旗」より)