日本共産党の山添拓議員は14日、参院資源エネルギー調査会で、東京電力福島第1原発の汚染水の海洋放出について質問しました。
山添氏は、13日に経済産業省がアルプス処理水の定義を「トリチウム以外の核種について、環境放出の際の規制基準を満たす水」と変更したことに触れ、「『トリチウム以外は除去できている』。だから『処理水だ』との説明は間違いだ」と指摘。同省の新川達也審議官は「タンクにためた水の約7割には、トリチウム以外にも規制基準値以上の汚染物質が残っている」と認めました。
山添氏は、アルプス処理施設が2013年の稼働開始後、法律で求められる検査がされていないと質問。原子力規制委員会の更田豊志委員長は「使用前検査の手続きを飛ばしているところがある」と答え、山添氏は「(汚染水の)処理条件すら整っていない」と指摘しました。
また、東京電力柏崎刈羽原発の核物質防護施設が機能喪失をしていた問題で、更田委員長は「まさか代替措置が極めて不十分なものではないだろうという思い込みがあった」と答弁。山添氏は「適切に対処できない事業者と、見抜けなかった規制行政だと浮き彫りになった」「海洋放出、原発再稼働など言語道断だ」と批判しました。
(2021年4月16日付「しんぶん赤旗」より)