日本共産党の宮本徹議員は16日の衆院厚生労働委員会で、75歳以上に窓口2割負担を導入する「高齢者医療費2倍化法案」に対し、患者の受診控えを考慮せず2割負担の対象者が決められた実態を告発し、2割負担が導入されれば次々と対象拡大される危険性をただしました。
宮本氏は、「年収200万円以上」(3割負担対象者を除く)とした2割負担の基準をめぐって、政府が検討していた同155万円以上~240万円以上の間の基準5ケースごとの受診控えの影響をただしました。厚労省の浜谷浩樹保険局長は、受診控えでの給付費減は1790億~590億円と見込み、給付費減の全体の半分程度と答弁。「受診行動の変化をもって所得基準を選んだわけではない」と言い放ちました。
宮本氏の追及に対し、浜谷局長は、厚労省が法案作成の与党協議に受診控えの影響額を示していなかったことも認めました。宮本氏は「受診控えの数字すら示さないのは、きわめて乱暴な決め方だ。与党協議からやり直すべきだ」と追及しました。
そのうえで宮本氏は、2割負担の所得基準は政令で決めるため、2割負担導入後、対象者を次々と拡大して事実上「原則2割負担」にできる内容だと追及。田村憲久厚労相がこの間、保険財政を踏まえて「(対象拡大は)検討することになってこよう」と答弁したことをあげ、「歯止めなく時の政権の判断で拡大できるということだ。こんな法案は許されない」と批判しました。
(2021年4月18日付「しんぶん赤旗」より)