変異株把握の体制急げ
東京都では、新型コロナのクラスターが発生しやすい事業所(繁華街の飲食店などを想定)での定期的な検査も始まります。しかしその規模は1週間で約5千件と少なく、抜本的拡大が必要です。
独自対策広げて
また、感染拡大の兆候を早く知るために、無症状者を対象に行うのがモニタリング検査です。
広島県は、県内5カ所の検査場所で全県民・通勤者が検査を受けられるようにし、広島市内では広島駅や15大学に臨時検査場所を設けるなどしてモニタリング検査をしています。
また広島市内200カ所以上、福山市内100カ所以上の薬局で無料検査キットを配布し自己採取した唾液検体を提出する方法も取っています。
そしてホームページで「行政も、こうした検査の拡大や積極的疫学調査などで感染拡大を防ぎ、少しでも早く日常生活を取り戻せるよう尽力します」と決意をのべ、県民に積極的な協力を呼び掛けています。
都民に”自衛”ばかり求めるのではなく、都もこうした進んだ取り組みに学び、独自のモニタリング検査を広げるべきです。
さらに、都が設置した専門家会議では「地域感染拡大の予兆が見られた際の積極的な検査」が3月中旬に提案されています。地域での在住・在勤者全体を対象にした集中的検査の戦略も早急に具体化するべきです。
東京都でも感染力が強いという変異株の割合が急上昇しています。すべての新規感染者の検体を調べる必要があります。
衛生研増設求め
都の変異株の検査数は、大手検査会社3社が行うようになったことで、新規感染者の30%を超えるようになりましたが、まだ少なすぎます。以前はさらに低く、2月初旬まではわずか3%~4%程度、その後も3月中旬まで10%前後にとどまっていました。その原因の一つが地方衛生研究所(地方衛生研)の少なさです。どの自治体でも地方衛生研は変異株検査を進める上で重要な役割を果たしていますが、都の地方衛生研(都健康安全研究センター)は都民1400万人に対して1力所しかありません。党都議団は、増設を含めた拡充を求めています。
”第4波”が深刻になる中、今こそ都議会を開き、対策を議論すべきです。党都議団は、立憲民主党、東京みらい、生活者ネット、自由を守る会、東京維新の5会派とともに、小池知事に臨時議会の招集を求めています。
大規模検査の実現で、都民の命・暮らし守る責任を果たす匚都の持てる力を発揮させるため、今後も全力をあげます。
(おわり)
(2021年4月24日付「しんぶん赤旗」より)