日本共産党の山添拓議員は11日の参院法務委員会で、18、19歳の少年事件を刑罰化する少年法改定案に対し、「少年の健全育成という法の目的を否定するものだ」と批判しました。
山添氏は、「非行少年」の多くが家庭で虐待をうけるなど厳しい環境で育つなど、「少年自身が『被害者』でもあり、少年法のもとで保護されるべき存在だ」と主張しました。
上川陽子法相は、少年院収容者のうち、被虐待経験者は男子で3割、女子で5割に上り、知的障害、発達障害者は約2割だとして、「丁寧な処遇の在り方は極めて重要だ」と認めました。
山添氏は、少年非行は15、16歳が一番多く、17歳を過ぎると減少する傾向があると指摘。「18、19歳で非行から脱していないのは多くの問題を抱えていることを示している」と述べ、「少年事件の実態、18、19歳の実像の分析や評価もなく、成年年齢引き下げのみを理由に法改定に及ぶのは結論ありきだ」と批判しました。
また、家裁調査官による調査が、2000年の同法改定以降、犯情重視、結果重視となり、要保護性の調査が弱体化したなどの批判があると指摘。調査は「要保護性」について丁寧に行うべきだと迫りました。最高裁判所の手島あさみ家庭局長は、「十分に調査を尽くしたうえで処分を決定することに変わりはない」と答弁しました。
(「しんぶん赤旗」2021年5月13日付より)