2020オリンピック・パラリンピックを考える都民の会(オリパラ都民の会)は12日、都庁で記者会見し「オリンピックの歴史に汚点を残さないために、東京大会は中止あるいは延期して、新型コロナ対策の強化に力をあわせよう」との声明を発表しました。
声明は、新型コロナウイルスの感染が拡大する一方でワクチン接種が進まない現状を示し、「オリンピック関係者へのコロナ感染症対策を強化すればするほど逼迫(ひっぱく)している医療体制の弱体化が避けられ(ない)」矛盾を指摘しています。国民が望まない大会を強行するなら「(平和な社会の推進やスポーツをする権利を掲げる)オリンピック運動の存在意義を自己否定するもの」だとして中止・延期の決断を求めています。
声明はまた、テレビ局やスポンサーの意向を優先した真夏の開催など、近年の五輪は「基本理念との乖離(かいり)が看過できない段階にあることを可視化」したとして抜本的な改革を求めています。
声明は組織委員会と政府、東京都、日本オリンピック委員会(JOC)に送りました。オリパラ都民の会の和食昭夫共同代表は声明の趣旨を「オリンピック運動を守るためにも中止・延期の道を選択すべきだ」と説明。都とJOCが国際オリンピック委員会(IOC)と開催都市契約を交わした当事者であることを示し、「政府とともに開催の是非について見解を示す必要がある」と強調しました。会見には約10社が出席しました。
(「しんぶん赤旗」2021年5月13日付より)