都議選で問われる
新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に続き、東京都内でも変異株が主流となり、重症者が増え医療体制が逼迫(ひっぱく)しています。それでも、自民党・公明党・都民ファーストの会と小池百合子知事は東京五輪の開催に固執しています。中止を求める日本共産党との対決構図が鮮明です。(東京都・川井亮)
「医療現場は疲弊」
小池知事は4月23日の記者会見で緊急事態宣言の五輪への影響について問われ、「他の国と比べると、日本の感染者数などについてはまだまだ低い」と発言。今月14日の会見でも「関係者と連携し着実に準備を進める」と無責任に繰り返すだけ。コロナ第4波に直面し、国民には「東京に来ないで」と言いながら、五輪では「東京に来て」と言う支離滅裂ぶりです。
共産党都議団はいち早く1月26日、五輪を中止し、コロナ対策に集中するよう小池知事に申し入れてから、繰り返し五輪開催中止を求めてきました。2月の都議会代表質問では原のり子都議(北多摩4区)が、五輪では医療スタッフ1万人以上が必要になることを示し、小池知事に中止を迫りました。
3回目の緊急事態宣言が延長されたのを受けた今月12日の都議団の申し入れでは、看護師500人、医師200人の派遣が依頼されていることを示し、「医療現場がさらに疲弊する」と指摘。開催都市としてただちに中止を決断するよう求めました。
「全力で」と決議も
一方、自公・都ファは小池知事に大会準備の加速を迫るばかり。昨年10月の都議会では「開催のみを前提とせず、命を最優先にした慎重な判断が必要」と主張する共産党の反対を押し切り、「大会の開催と成功に向け全力で取り組む決議」を上げました。
自民党は今年2月の代表質問で「知事はこれまで、何としても大会を成功させると明言を続けてきた。その言葉を信じ期待している。知事の意気込みは、我が党もまさに同じ思いだ」(山崎一輝都議=江東区)として、知事の「決意」をただしました。
公明党は「安全で安心な大会にする対策を都民、国民に示し、理解を求める必要がある」(東村邦浩都議=八王子市)と開催を前提にした発言。
都ファも「これ以上、大会準備の時間を無駄にするわけにはいかない。大会の成功に向けた取り組みを加速させるべきだ」(増子博樹都議=文京区)と求めました。
自公・都ファは都議会閉会にあたり発表した談話(3月26日)でも、「大会開催と成功に向けてまい進していくことを強く要請する」(自民党)、「大会の成功に向けた取組を加速させなければならない」(都ファ)などと、そろって大会開催を求めています。
(「しんぶん赤旗」2021年5月17日付より)