有力14人しのぎ削る
東京都議選(6月25日告示、7月4日投票)で、世田谷区(定数8)は、すべての国政政党が候補を出し、有力14人の誰が落ちてもおかしくない様相です。日本共産党の里吉ゆみ予定候補(53)=現=は「提案で都政を動かす共産党を伸ばしてください」と訴え、激戦を勝ち抜こうと奮闘しています。
里吉氏のほかに立候補を予定しているのは、自民4(うち現職3)、公明1、都民ファースト2(同2)、立憲民主2(同1)、国民民主1、生活者ネット1、維新1、れいわ1の各氏。
コロナ禍で区民の生活危機はかつてなく深刻です。
共産党区議団が今年1月に行った区民アンケートには「家賃が払えない」などの声が。コロナ禍が収入を直撃した20~40代の回答が4割を超えています。相談や自殺をほのめかす電話もありました。
検査と補償を
党都議団はPCR検査の拡充、十分な営業補償、東京五輪・パラリンピックの中止を求めて論戦を展開。里吉氏は、社会的検査を進める保坂展人区長と力を合わせてきました。
「ワクチンはいつ接種できるのか」「五輪観戦に児童を動員するなんておかしい」など、コロナ対策をめぐって菅政権への怒りが広がるとともに、「私たちの声を聞いてくれるのは共産党だけ」と党への期待が集まっています。
東急線用賀駅前で演説する里吉氏に、公明党支持だという40代男性が声をかけ、菅政権と公明党への不満を漏らし、「共産党の言う通り、思い切った検査拡大と補償が必要だ。頑張って」と話しました。
区民アンケートに回答した、0歳と4歳の子育て中の女性は、4月に里吉予定候補のオンライン都政報告会に参加。「『どうせ変わらない』と言う周りの人に、どうしたら政治に関心を持ってもらえるか考えたい」と発言しました。
各候補は必死
各候補は必死です。14候補全員が朝夕の駅頭宣伝に立ち、毎日、早朝6時には駅立ちし、改札出入り口の場所取りが激しくなっています。
ポスターも場所の争奪戦。現職から新人に交代する公明党がポスター第1党の勢いです。れいわ新選組の新人は大型ポスターを一気に張り出しています。
根拠のない「里吉さんは大丈夫」論も振りまかれています。市民と野党の共闘を進めてきたある区民も「里吉さんは大丈夫だから家族の票は他党に入れようと思っていた」と話しています。
こうした中、党と後援会は、里吉氏の勝利のため、77万有権者に勢いを示す宣伝、都立松沢病院を守れ、外環道ストップなどの「ミニビラ」5万枚作戦を展開。「自公・都民ファ対共産党」の対決構図を押し出し、対話に全力を挙げます。
(「しんぶん赤旗」2021年5月18日付より)