日本共産党の宮本徹議員は21日の衆院厚生労働委員会で、最高裁が国と建材メーカーを断罪した建設アスベスト(石綿)被害をめぐり、救済のための補償基金制度に建材メーカーも参加するよう国から強く働きかけるよう求めました。
宮本氏は、最高裁判決を受けて国と原告団が補償基金制度の創設で合意したものの、基金に建材メーカーは参加せず、メーカーからの賠償は裁判を経ないとなされないと指摘。「基金への参加を企業や業界団体に働きかけ、国の責任で全面解決が図れるようにすべきだ」と迫りました。
田村憲久厚労相は「与党のプロジェクトチーム、関係省庁と連携して対応していきたい」と述べました。
宮本氏は、メーカーの基金への拠出割合を決めるのに必要だとして求めていた、メーカーごとの建材生産量と建材ごとのアスベスト使用料の調査状況を質問。経済産業省の柴田敬司大臣官房審議官は、各工業会に5月10日までにデータを提供するよう3月26日付で依頼したが、「『統計をとっていない』『メーカーごとの内訳を保有していない』『個社の了解がとれない』などの理由でデータの提供はなされなかった」と答えました。
宮本氏は、建材メーカーの無責任な姿勢を批判。「各メーカーに直接聞けば分かるはずだ。最高裁判決をふまえ、国が改めて調査すべきだ」と強調しました。
(2021年5月27日付「しんぶん赤旗」より)