東京都議選告示(6月25日)まで1カ月をきり最初の日曜日となった30日、日本共産党の小池晃書記局長は東京都八王子市と練馬区を駆けめぐり、「新型コロナから都民の命と暮らしを守るためにも、総選挙で政権交代を実現するためにも日本共産党の躍進が決定的。共産党を伸ばし、東京から政治をかえよう」と呼びかけました。
2カ所とも通りがかりに足を止める人が相次ぎました。「自民党に入れてきたけどもう我慢できない」という人、ツイッターで見て初めて演説を聞き「コロナで政治のひどさに気付いた。共産党に期待している」という人も。
小池氏は、緊急事態宣言が延長されるもとで五輪開催に固執する菅政権と都議会の自民、公明、都民ファーストを批判。「五輪を中止し、コロナ対策に集中をの声を、党派を超えて日本共産党へ」と訴え、大きな拍手が寄せられました。
都政について小池氏は、新型コロナの検査不足でも病院つぶしでも「やっている中身は菅政権と同じ」と強調。「コロナから都民の命と暮らしを守ることは待ったなし」と述べ共産党が掲げる「都政の四つのチェンジ」を紹介しました。
自民・公明の都政は16あった都立病院を八つに半減させ、八王子では都立八王子小児病院を廃止したと指摘。小池都政は、さらに残りの都立・公社病院も独立行政法人化させ、予算を削減し、感染症や難病医療、小児、周産期医療などを危機にさらそうとしていると告発しました。共産党以外の会派は独法化反対の請願に反対したと述べ「都立病院を守る候補は共産党だけ。ケアに手厚い都政への願いは共産党にたくして」と呼びかけました。
小池氏は、米軍や自衛隊基地などの周辺住民を監視する憲法違反の土地利用規制法案を、自公や維新が衆院内閣委で強行したことを厳しく批判。基地の周辺1キロが注視区域となり、練馬区では陸上自衛隊の練馬駐屯地の周辺に平和台や東武練馬駅が入り、朝霞駐屯地の周辺には大泉学園町の北側が当てはまると指摘しました。「財産権もプライバシー権も侵害し、まるで戦前のように基地周辺の住民を監視するものだ。運動の弾圧にも利用されかねない。戦争する国づくりを許さない声をあげよう」と訴えました。
八王子市では、清水ひで子都議からバトンタッチするアオヤギ有希子都議予定候補が「清水都議の議席をなんとしても引き継ぎ、八王子の声を都政に届ける仕事をさせてほしい。子どもたちに豊かな教育環境を実現する願いをたくして」と力強く訴えました。清水氏が司会を務めました。
小池氏は、市内の診療所で8年働き市議3期を務めたアオヤギ氏が、ワクチン予約の問題で市に申し入れ、対面サポートをスタートさせたと紹介。1人10万円の学生支援金の改善、障害児のガイドヘルパーによる移動支援の実現など実績を示し「都議としてすぐ活躍できる、試されずみの政治家。『命の多摩格差』をなくす議席を今度はアオヤギさんへ」と呼びかけました。
衆院東京24区の吉川ほのか予定候補が決意を表明しました。
練馬区では、とや英津子都議が「人の痛みに心を寄せられる議員でありたい。命と暮らしを守り、安心して学べる首都東京の実現へ全力を挙げる決意です」と声をあげました。
小池氏は、とや氏が区議時代から保健所統廃合に反対し、23区平均の3分の1という病床の少なさを取り上げ光が丘病院や順天堂病院などの新増設に道を開いてきたと指摘。都議1期目から文教委員長を務め、35人学級実現など子どもと教育の問題で大きな成果を勝ち取ってきたと述べ「練馬区に、ぶれない共産党の都議会議席が絶対に必要です。どうか宝の議席をおしあげて」と力を込めました。
新社会党練馬総支部の鈴木安友委員長が応援を訴えました。
“安全安心の五輪できない” 開催中止求める声続出
「知人から誘われて初めて政治家の演説を見に来ました」と話した30代夫婦。夫は東京五輪について「国は選手のためではなく、経済のために無理にでもやろうとしている感じがして嫌だ。変異株も心配だし、やはり中止すべきだ」と話しました。演説を聞き、コロナ禍でも病床削減が狙われていることを知り驚いたという夫。「これまでも選挙に行っていたが、こういう話を聞き投票先を考えるのは初めて。アオヤギさんにはぜひ頑張ってほしい」と語りました。
買い物帰りの70代女性からは「今の状況で安全安心な五輪はできるわけないから反対。コロナの影響で生活や商売で苦しんでいる人がたくさんいる。そういう対策こそやってほしい」との声も。演説を聞いていた夫婦は「コロナ禍が始まり1年以上たつのに、何も対策をしてこなかったのは長年政権を取ってきたおごりじゃないか」と自民党政権への怒りをあらわに、「共産党に頑張ってもらいたい。夫婦二人で応援している」と語りました。
たまたま通りかかって演説を聞いたという学生3人も「五輪をやって病気の人がこれ以上出るくらいなら延期した方がいい」と話しました。
記者が声をかけると「初めて共産党の演説を聞く」という反応が多くありました。
70代男性は「これまで自民党に入れてきたが今の首相にはもう我慢できない。特にコロナ対策が不満。ニュースを見て共産党はまじめにやっていると感じているから、今度は共産党に入れようかと考えている。だから演説を聞いてみようと思った」と語りました。
(2021年5月31日付「しんぶん赤旗」より)