都議選(25日告示、7月4日投票)で4期目を目指す日本共産党のあぜ上三和子都議と日本弁護士連合会元会長の宇都宮健児さんは5月30日、新型コロナウイルス感染症危機の中での東京五輪・パラリンピック開催を考える対談をしましこ。
同対談はあぜ上候補を応援する勝手連「あぜ上サポーターズ」が企画したもので、ユーチューブで動画が公開されています。対談では、都立・公社病院の独立行政法人化やカジノ問題も語り合いました。あぜ上氏は、都議会の五輸対策特別委員会理事を務めています。
宇都宮氏は、5月5日から五輪中止を求めるオンライン署名活動に取り組んでおり、集まった署名数は41万を突破しています(30日現在)。
「署名活動を始めたとたんに賛同者が増え、日本だけでなく海外メディアも非常に関心を持って報道し、IOC(国際オリ
ンピック委員会)に対する批判の声も出ていた。この署名が、一つの世論を具体化する運動になったことは大変良かった」と
宇都宮氏は話しました。
違約金はない
司会のあぜ上サポーターズの大久保なつみさんは、「五輪を中止したら違約金がかかる」という意見がネット上で出ていることを紹介しました。
宇都宮氏は、五輪開催都市契約書には違約金の条項はなく「法的には中止したからといって違約金が発生することはない。今のコロナの状況はある意味で世界的な一大災害です。人々の命や暮らしを守るために日本政府と東京都が五輪中止を決断し、IOCがその日本の決断に対して損害賠償を請求したら、IOC自体が世界的に批判を浴びることになる」と指摘しました。
あぜ上氏は「圧倒的に(五輪を)やるべきではないという世論が大きい。都議会でも、今度の都議選でも、都民の命を守る政治決断ができるかが問われている。命が大事だという世論を広げていくことが重要だ」と話しました。
独法化許さず
大久保氏は、東京都が直接責任をもって連営している8都立病院と6公社病院を、利益最優先の病院にする独法化の問題があまり知られていないことを提示しました。
あぜ上氏は「都立・公社病院のベッド数は、都内全部の病院のベッド数の約5.6%しかないが、今コロナ患者の約4割を都立・公社病院が看ている。妊婦さんたちに民間の病院に移ってもらって、コロナ専用ベッドを増やすなど、病床を転換しているところもある」と、コロナ禍で都立・公社病院が重要な役割と担っていることを説明しました。
さらに感染症、周産期医療、障害・難病医療、救急医療は、不採算医療で、最後は命のとりでとして行政医療を担う都立・公社病院が役割を果たすべきだと訴えました。
宇都宮氏は「独法化で、経済経営効率の観点から病院を経営するようになるので、不採算医療を削り、働く人の賃金も下がる。むしろ都民に充実した医療サービスを提供することに逆行する」と指摘しました。
(2021年6月5日付「しんぶん赤旗」より)