“接種なしは心配”不安の声
東京オリンピックのロードレース(自転車競技)をめぐり、五輪組織委員会からボランティア参加者への具体的な感染対策が示されず、自治体が対応に苦慮しています。高校生50人がボランティア参加する自治体もあり、不安が広がっています。(小酒井自由)
高校生50人参加の自治体も
ロードレースは、東京都にある武蔵野の森公園(調布市・府中市・三鷹市)をスタートして、静岡県小山町にある富士スピードウェイでゴールを迎えます。関係自治体は、1都3県l政令指定都市14市町村です。
ある自治体の五輪担当者は、ボランティア募集を組織委から依頼されたといいます。16歳以上でもボランティア参加が可能だとされたことなどから市内にある高校に声をかけました。今年4月に生徒50人の参加が決まりました。
ボランティアは、1日4時問程度。レースで公道を使えるように交通規制する柵の設置や、レース中に沿道から観客など
に注悪を促します。
丸川珠代五輪担当相は、選手と頻繁に接触するボランティアはワクチン接種の対象にするとしています。では、他のボランティアはどうなるのかー。
同担当者は、感染対策を組織委が示していないといいます。
「いま感染対策を示すよう組織委に求めているが、いまだにワクチン接種やPCR検査の実施など示されていない。早く具体策を示してほしい。ジレンマだ。(五輪関係の)情報も、報道されて初めてわかる状況だ」
五輪開催まで50日を切っています。政府や組織委は「安心・安全な大会」と述べるだけで、具体策を示しません。
高校2年生の息子がいる保護者は、五輪開催には賛成としつつ、「ワクチン接種しないままのボランティアは心配です。今、高齢者の方のワクチン接種も大変な状況になっているのに、高校生へのワクチン接種は無理だろうな…」と不安そうに話します。
高校生の親であり関係自治体に住む日本共産党の武藤千里・調布市議は、具体策を示さない組織委を「無黄任だ」と批判。「ウクチン接種もなく、高校生を惑染リスクにさらすのはおかしい。コロナ禍のなかで五輪開催自体が間違いです。中止すべきだ」と話しました。
(2021年6月7日付「しんぶん赤旗」より)