組織委公表
東京五輪・パラリンピック組織委員会は11日、観客や大会関係者など来訪者が1日最大約34万人となることを公表しました。また大会を開催した場合、都内では8月末に新型コロナウイルスの新規感染者数が1000人程度となり、開催しない場合に比べ約200人多くなるという試算を明らかにしました。同日開かれた新型コロナ対策を助言する組織委の専門家会合に提出したもの。大会では各地から来訪者が集まるため、感染が全国に広がる危険性があります。(五輪問題取材班)
組織委が会合に示した資料によると、1日あたり最大で観客が約22・5万人、ライブサイトが約3・7万人(いずれも都内)、海外からの大会関係者が約5・9万人など、合計約34万人が活動するとしています。
今年のゴールデンウイークでは首都圏や関西からの来訪者が増加したことで沖縄県や北海道の感染者が増えたとされています。五輪でも地方に感染が拡大していく危険性があります。 会合では全国からの人流も検討。チケット販売状況から東京・千葉・埼玉・神奈川の1都3県以外からの来訪者は、全体の約24~約32%と分析しました。
内閣官房コロナ室が三菱総研に委託した都内の新規感染者の予測も公表されました。6月以降に人流が毎週5%ずつ増え、さらに五輪期間中は1割増、パラリンピック期間中は5%増えると仮定し計算しました。これによると、8月末の1日あたりの新規感染者数は、大会を開催しない場合は約800人、開催した場合は約1000人となっています。
組織委の橋本聖子会長は同日の会見で三菱総研の予測について対応を問われ、「この上で何ができるか考える」と述べるにとどめました。
(2021年6月12日付「しんぶん赤旗」より)