選手・関係者だけで39万人/8月下旬 都内感染1000人の試算も

東京五輪・パラリンピックでは、海外からの選手、大会関係者だけでなく、国内で大会をサポートするスタッフなどで人々の動き(人流)が確実に増えます。専門家は人流が増えることで、新型コロナウイルスの感染増加を懸念しています。大会に参加する関係者、選手は一体どのぐらいになるのか―。

主催者の五輪組織委員会はいまだに全容を明かしていません。ただ、公表資料をつなぎ合わせていくと、全体像が浮かび上がってきます。

まず選手は五輪が1万1090人、パラリンピックが4400人です。これは上限の数字で五輪は7月上旬、パラは8月上旬に選手が確定します。

海外からくる五輪・パラの大会関係者は、計約7.8万人です。うち五輪は約5.9万人。五輪の内訳は各国の組織委員会が1万400人、オリンピック放送機構が1万8400人、報道関係者が8400人、オリンピックファミリーが3000人などとなっています。このうちオリンピックファミリーについて組織委は「大会運営に必要な人たち」としていますが、実態は不透明です。

国内の大会関係者は五輪・パラをあわせて約30万人です。このなかにはスポンサー、スタッフ、報道、ボランティアなどが含まれます。ボランティアは、計8万人。警備や輸送などにあたるスタッフは、計約19万人です。

おおまかな計算ですが、選手、国内外の大会関係者らをあわせると計約39万人となります。

これに観客数がどうなるかという問題があります。開催まで40日を切っているのに、政府、組織委はいまだに方針を明らかにしていません。

ただ組織委は五輪の観戦チケットについて11日、全競技場の最大収容数の42%が販売済みであることを明らかにしました。400万枚台にのぼるとみられます。

これだけの人が動くとどうなるか―。

内閣官房コロナ室が三菱総研に委託したシミュレーションによると、五輪を開催しない場合、8月下旬に都内の新規感染者数は800人程度です。他方、五輪を開催した場合は同時期に1000人程度となっています。ほかにも専門家らが、五輪を開催すれば感染が増加すると試算しています。

(2021年6月17日付「しんぶん赤旗」より)

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