学校行事は中止 小中学生を動員
東京都東村山市の小・中学生が東京五輪大会の聖火リレー到着を祝うイベントに動員されることが分かりました。新型コロナウイルスの影響で子どもたちもさまざまな“自粛”が求められているなかでのイベント開催に、疑問や感染拡大を懸念する声が上がっています。(五輪問題取材班)
イベントは7月13日で、実施主体は五輪組織委員会と都です。市五輪パラリンピック推進課によると、イベントは市内を通る聖火リレーの最終地点であるハンセン病療養所の多磨全生園で午後4時~7時半ごろにかけて開かれます。
辞退した学校も
生徒の動員は、市が独自に判断したもの。市内22の小・中学校から児童・生徒各2人を選出してもらい、その保護者をイベントに招待します。なかには辞退した学校もあるといいます。
当初2千人規模での開催予定でしたが、現在は900人にしています。会場には、五輪スポンサーの体験型ブースも設けられるといいます。
感染対策について同課は、組織委のガイドラインに沿って行うとし、会場内での飲食の禁止や体温測定などをあげます。他方で、事前のPCR検査やワクチン接種は「(参加者条件の)義務ではない」としています。現在、都や組織委から“中止”は言われていないとして「開催の準備を進めている」と答えました。
同市内のある小学校では、毎年全生園で人権学習を行ってきた5年生に参加希望を募りました。その学校に小5の娘(10)を通わせる母親は、イベント開催に疑問を呈します。
「新型コロナの影響で授業参観や社会見学などが取りやめになるなかで、なぜ五輪関係のイベントだけはできるのか。保護者の間でも『いまそんなことしていいの?』という声が広がっています。それに市内各地から子どもを集めて大丈夫なのか。家庭や学校で感染が広がらないか心配です。五輪もこのイベントも開催は勘弁してほしい」
コロナ対策こそ
日本共産党の渡辺みのる市議団長は「市は、イベントの準備に職員を動員し財源も出している。五輪や聖火リレーのイベントは中止し、財源も人もコロナ対策に回すべきだ」と強調しました。
(2021年6月19日付「しんぶん赤旗」より)