都議選の審判で五輪は止められる
どの選挙区でも当落線上を争う大激戦・大接戦となっている東京都議選の告示前、最後の週末となった19日、日本共産党は志位和夫委員長、小池晃書記局長、田村智子副委員長ら党幹部、国会議員が街頭で、党躍進を訴え。31人の都議候補は党支部・後援会とともに懸命に政策を語り、支持を呼びかけました。「五輪は中止してコロナ対策に集中を」「コロナ禍でなぜ病院つぶしなのか」の訴えに共感が広がりました。他党派も激しい動きを見せ、宣伝でかち合うことも。共産党は「現有議席確保にまだ距離がある」として、活動の遅れを一気に取り戻そうと全力を挙げています。
志位委員長は豊島区の池袋駅東口、大塚駅北口の2カ所を駆け巡り、「性的搾取にあった若い女性の支援や『痴漢ゼロの東京』の提起など開拓者的な仕事をしてきた米倉春奈都議の『宝の議席』を守り抜き、ジェンダー平等の東京を実現しよう」と力を込めました。司会は、池内さおり前衆院議員(衆院東京比例ブロック、小選挙区東京12区予定候補)が務めました。
定数3を共産党、自民党、公明党、都民ファーストの有力4氏が激しく争う豊島区。論戦や実績で群を抜く米倉都議への「大丈夫」論が流されるなど大激戦の様相です。
米倉氏は「初当選時に驚いたのは、女性や若者の声が都政に届いていないことでした。8年間、この声を取り上げ、政治を変えるとの思いで取り組んできました」と力説。「今、女性たちが立ち上がり、社会を動かし始めています。都議選で、『みんなが住みやすい社会の実現を』の願いを私に託してほしい」と訴えました。
菅義偉首相と小池百合子都知事は、専門家が指摘する感染拡大のリスクを無視して、五輪・パラリンピックの開催に固執しています。
志位氏は「この問題で問われていることはシンプルです。『五輪と命のどちらが大切か』、これがいま問われていることです」と強調し、「五輪開催で新たに亡くなる方が増えるなどあってはなりません。そういう五輪ならば開催する意義はありません」と力説。雨の中、聴衆から「その通り」の声と大きな拍手が沸き起こりました。
志位氏は、批判や不安の気持ちは持ちつつも“中止はむつかしいのでは”との声にこたえ、「五輪は自然災害ではありません。人間が行うイベントです。政治が決断すればいつでも中止できます」ときっぱりと述べ、次のように訴えました。
「菅首相と小池知事が開催に固執するなら都民の意思を示しましょう。7月4日に都議選という審判の機会があるではありませんか。7月4日から五輪の開会までまだ20日近くあります。中止を決めるのに十分な期間があります。まだ十分に間に合います。『五輪より命を』と訴える米倉春奈さんが勝利し、日本共産党が躍進するならば、五輪パラを中止させることは大いに可能です」
「共産党躍進で安心と希望の東京を」と訴え、日本共産党の都議選政策の一つひとつについて語った志位氏。この中で、「ジェンダー平等を進め、個人の尊厳を大切にする都政」の実現を訴えました。
志位氏は「米倉さんは、ジェンダー平等の東京をめざして開拓者的に仕事に取り組んできました。それまで誰も取り組んでこなかった道なき道を切り開いてきました」と強調。虐待などで家に帰れない女子中高生を性的搾取から守るための公的支援を関係者とともに実現させてきた取り組みを紹介しました。
さらに、党都委員会が取り組んだ「痴漢アンケート」に示された実態をもとに、都議会で初めて本格的に「痴漢ゼロの東京」を求めた米倉氏の質問を紹介。議場が静まり返り、大反響を呼んだと語りました。
志位氏は「日本共産党を伸ばせば、必ず政治は変わります」と強調しました。「暮らしを守る確かな力が大きくなり、国政にも大きな影響がでてきます。続く総選挙で日本共産党を躍進させ、市民と野党の共闘を成功させ、新しい政権をつくる道を今度の選挙で開こうではありませんか」と訴えた志位氏に、聴衆から「頼むぞ」の声と拍手が起こりました。
(2021年6月20日付「しんぶん赤旗」より)