東京都庁の周辺が米軍横田基地(東京都福生市など5市1町)所属のUH1ヘリの飛行ルートに設定されていることを明示する米軍の資料が明らかになりました。本紙が24日までに入手しました。日米合意で定められた最低安全高度(最も高い障害物から300メートル)を大きく下回り、都庁より低い米軍ヘリの飛行が相次いで目撃されています。今回、入手した資料は、その重要な裏付けとなります。
資料は、横田基地に所属する米空軍第374空輸航空団が2015年に国内の航空関係者を招待して開催した「関東航空機空中衝突防止会議」で配布された、UH1Nヘリの運用に関するもの。その中の「UH―1Nの悪天飛行経路」と表題のついた地図に記載がありました。
地図には、横田基地を表す「RJTY」、右端に米軍赤坂プレスセンター(東京都港区)を示す「Hardy Barracks」の記載があり、両基地を結ぶ飛行ルートが記されています。そこに七つの赤いポイントが記され、「Yoyogi」と記されたポイントの真ん中に都庁が記載されています。新宿駅やNTTドコモ代々木ビルなども付近に位置しています。
米軍は「悪天飛行経路」と説明していますが、本紙はこれまで、曇天時に都庁から赤坂プレスセンターを低空で飛行する米軍ヘリを目撃。天候とは無関係にルートが使用されている可能性があります。
都心上空は米軍への提供空域ではなく、ルートは米軍が勝手に設定したものです。こうした植民地的な実態は、25日告示の東京都議選でも問われます。日本共産党は、米軍の無法な低空飛行をやめさせ、米軍の特権を定めた日米地位協定の抜本的な改定、横田基地をはじめ都内の米軍基地撤去を掲げています。
(2021年6月25日付「しんぶん赤旗」より)