「しんぶん赤旗」調査
東京五輪・パラリンピックに小中学生を動員する「学校連携観戦」について本紙は28日、東京都内の62区市町村に参加か中止かの対応を取材し、4区3市2町5村が中止を決めたことが分かりました。他のほとんどの自治体は「検討中」「未定」と回答しており、今後も中止が増える見込みです。参加を明言したのは千代田区だけ。「子どもを感染の危険にさらす動員はやめて」と保護者や教職員、日本共産党などが声を上げたことが、地元・東京でも自治体を動かしています。
中止を決定したのは文京区、目黒区、板橋区、武蔵野市、三鷹市、小平市、奥多摩町、八丈町、檜原村、新島村、神津島村、青ケ島村、小笠原村。足立区でも同日、日本共産党区議団に中止するとの連絡がありました。ほとんどが新型コロナウイルスの感染リスクを中止理由にあげています。
板橋区は同日、参加取りやめを発表。「感染状況の見通しが難しいことなどを総合的に勘案し、子どもの安心安全を最優先とした」としています。武蔵野市は「電車での移動、混雑が避けられず、行動管理、人流抑制が極めて困難」といいます。
「コロナの感染状況次第」(東大和市)とする自治体がある一方、多くの自治体は「都の判断を待って決める。特に連絡がないなら参加」(武蔵村山市)など都の指示を待っている状況です。多摩市は「校長の判断を尊重する」としています。
都教育委員会は公立学校全体で約81万人の学校観戦を見込んでいましたが、現在判明しているだけでも、足立区3万4000人、板橋区1万8300人、文京区・目黒区各1万4000人など、10万7000人分以上がキャンセルになります。都教委は近く各自治体への意向調査を行うことにしています。
学校連携観戦については会場や移動中の感染リスク、熱中症の恐れなどから、「子どもの命と健康を守れ」との声が広がっています。日本共産党都議団は21日に小池百合子都知事と都教育長に対して中止を要請しました。各自治体にも党議員団が中止を求めています。新日本婦人の会、東京都教職員組合なども各地で中止を要請しています。
(2021年6月29日付「しんぶん赤旗」より)