公明ダンマリ
大激戦が続く東京都議選で東京五輪の開催が最大の争点となってきました。五輪開催ありきの自民党や都民ファースト、政府与党として五輪開催を推進しながら、都議選ではダンマリを続ける公明党、これに対し「五輪中止し、命守れ」と訴える日本共産党の正面対決の構図が鮮明になっています。
「東京」29日付の意識調査で、1万人有観客の五輪開催に感染拡大の不安を感じる都民は79・8%に上りました。28日付の「朝日」「毎日」では「現状での開催反対」「中止・再延期」が6割にのぼっています。都内の新規感染者は増加傾向を強め、海外選手の空港検疫での陽性確認とその後の疫学調査の遅れなど不手際も相次ぎ、世論は厳しさを増しています。五輪期間中に予定されていた都内のパブリックビューイング(PV)は全6会場で中止。全国的にもライブサイトやPVの中止が相次ぐほか、大会に小中学生を動員する「学校連携観戦」も都内14自治体が中止を決めました。
しかし、菅義偉首相は出陣式で、東京の感染状況が予断を許さないと認めながら、「人類の英知によってこの難局を乗り越えていく」と対策を語らず強行に固執。丸川珠代五輪相も都議選中盤の演説で、「子どもたちに『応援プログラム』を行うなど、特別な体験の機会を」と発言するなど、世論を無視し開催ありきの姿勢です。
五輪中止を求める声を「非現実的」「不安あおる」と批判してきた公明党の山口那津男代表は、25日の告示以来、五輪問題に言及せず逃げてばかり。無責任極まりない姿勢です。共同通信の世論調査(27日公表)では、公明支持層でも「無観客」が39・6%、「中止または延期」が38・7%で同党は自己矛盾を深めています。
「無観客」を提唱している都民ファーストはもともと、6月都議会に寄せられた五輪中止の陳情を自公とともに不採択としており「開催ありき」の立場。都ファの荒木千陽代表は第一声で小池百合子都知事との一体感を強調しました。しかし、5者協議で上限1万人までの有観客開催を決めたのは小池知事自身です。
新型コロナの感染拡大のリスクをなくし命を守る最良の方法は、日本共産党がズバリ提起する「五輪の中止」です。「五輪を中止し、命を守れ」の政策が都民の共感を広げています。政治が決断すれば今からでも五輪を中止することは可能です。日本共産党の躍進で五輪の強行開催を止め、国民の命を守る選択をと呼びかけています。
(2021年6月30日付「しんぶん赤旗」より)