野党の共闘は東京都議選で大きな成果を上げました。日本共産党が立憲民主党や無党派の幅広い市民などから支援を受けて5選挙区(文京区、豊島区、北区、日野市、北多摩4区)で勝利しました。一方、7選挙区(渋谷区、中野区、立川市、武蔵野市、小金井市、小平市、北多摩2区)では、日本共産党が支援・推薦した立憲民主党などの候補が当選しました。
日野市(定数2)では、市民と野党の共同候補としてたたかった日本共産党の清水登志子氏が当選。前回(2017年)から得票数を4925票、得票率を12・65ポイント増やし、自民党の現職に競り勝ちました。文京区(定数2)では、前回215票差で惜敗した福手裕子氏が共闘の輪を広げ、得票数4033票増、得票率7・93ポイント増となり、自民の現職に勝利しました。北多摩4区(定数2)の原紀子氏も他党の議員や幅広い市民からの支援を受け、2265票増、10・43ポイント増でトップ当選を果たしました。
日本共産党の米倉春奈氏(豊島区・定数3)、曽根肇氏(北区・定数3)も、市民と野党の共同代表として現有議席を守り抜きました。
1人区でも共闘の力で議席を勝ち取りました。武蔵野市では、日本共産党の小池晃書記局長が応援に入った立憲民主党の五十嵐衣里氏が初当選。19年の参院比例票と比べると得票数は1万207票増、得票率は22・51ポイント上回りました。小金井市では共産・立民などが推薦する無所属の漢人(かんど)明子氏が、得票数1万8789票、得票率45・40%を獲得し、都民ファーストの会の現職を破りました。
都議選 共闘は「如実に成果」
立民・安住氏が評価
立憲民主党の安住淳国会対策委員長は5日、国会内で記者団の取材に応じ、東京都議選での市民と日本共産党など野党との共闘について「如実に成果が出た」と評価しました。秋までに実施される総選挙については、「野党が一つになって固まれば、政権交代が現実味を増した」と述べました。
都議選で自民党と公明党が目標としていた過半数に届かなかった結果について、安住氏は「五輪の対応やコロナ対応についての政権の評価がある程度如実に出た結果ではないか」と語りました。
その上で、今回共闘した中野区や武蔵野市の選挙区などではトップ当選を果たしたとして「一本化したところにまとまって票が入り、トップ当選というパターンが一つ見えた」と指摘。総選挙に向けて今回の結果は「非常に示唆に富んでいる」と述べ、「総選挙で政権交代となれば国を動かすための基本政策を早急に整理しないといけない」とも話しました。
(2021年7月6日付「しんぶん赤旗」より)