39自治体 会場ある市も
東京五輪・パラリンピックに小中学生を動員する「学校連携観戦プログラム」について、東京都内で新たに21自治体が中止すると発表したことが7日までに分かりました。中止は合計で39自治体になり、62ある都内の区市町村の過半数に達しました。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での同プログラムの実施に、保護者などから「子どもたちを危険にさらしてまで行うべきではない」と中止を求める声が相次いでいます。今後も中止が増える見通しです。
五輪の競技会場が複数ある調布市の教育委員会は6日、市のホームページで中止を発表。「(新型コロナの)感染リスクや熱中症のリスクなど、対策を講じてもなお児童・生徒の安全安心を十分に確保できる状況にはないことから、観戦は困難であると判断しました」と説明しています。
東京都教育委員会は今週になって区市町村に対し、新型コロナ対策で間隔を確保するため、座席数を大幅に減らした参加人数の割り当て案を示しました。
7日に中止を判断した中央区教育委員会の担当者は「都から観戦を希望する学校や人数の確認があった」として「一部の児童・生徒しか参加できないのであれば公平性の観点からも問題がある」との考えを示しました。「競技会場で手荷物検査があり観客席までの移動に時間を要することから、児童・生徒の行動や体調を把握することが難しい」などの理由もあるといいます。
台東区と日野市、東大和市も7日、感染拡大の収束が見えないことや熱中症対策に不安があることなどを理由に中止を決めました。
■五輪「学校連携観戦」を中止した都内の自治体
中央区、港区、台東区、大田区、目黒区、文京区、豊島区、板橋区、北区、足立区、世田谷区、荒川区、武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市、西東京市、小金井市、国立市、国分寺市、小平市、稲城市、日野市、清瀬市、東村山市、東大和市、立川市、昭島市、羽村市、青梅市、日の出町、奥多摩町、大島町、八丈町、檜原村、新島村、神津島村、青ヶ島村、小笠原村
(「しんぶん赤旗」2021年7月8日付より)