東京都の新型コロナウイルス感染症患者のうち18日時点の重症者数が国基準で576人にのぼっていることがわかりました。すでに第3波や第4波のピークを超える水準です。一方、都基準では同日時点の重症者数が国基準より大幅に少ない58人となっています。日本共産党の谷川智行衆院東京比例候補(医師)は、都の数字について「現場の負担を示していない」と指摘します。
「重症者」の定義は国基準では、集中治療室(ICU)もしくは高度治療室(HCU)などへの入室、または人工呼吸器かECMO(人工肺)で管理中の患者ですが、都基準では人工呼吸器かECMOを使用している患者のみをカウントしています。
ただし、人工呼吸器などをつけていなくても急変する可能性などがあるとして、谷川氏は「ICUに入室させる患者は、病状が不安定であるため、極めて強い緊張感をもって診ている状況だ」と述べ、医療現場の実態が把握できていないと強調します。
都が15日に開催した専門家によるモニタリング会議でも、重症用病床について「(14日時点で)人工呼吸器またはECMOによる治療が間もなく必要になる可能性が高い状態の患者数が依然として多い」と警鐘を鳴らすなど、急激な重症患者数の増加によって医療提供体制の逼迫(ひっぱく)の恐れがあるとして、警戒感を強めています。
(「しんぶん赤旗」2021年7月21日付より)