日本共産党の小池晃書記局長は26日、国会内で記者会見し、東京都内の新型コロナウイルスの新規感染者数が25日に日曜日では過去最大の1763人を記録した事態への認識を問われ、病床使用率が44%に達するなど医療ひっ迫が起きているとして、「このままでは東京をはじめ首都圏で医療崩壊という事態になりかねない深刻な状況にある」と述べ、改めて開催中の五輪の中止を求めました。
小池氏は、東京都の重症者の病床使用率は18%とされているが、「重症者」について都の基準では人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)を使用している場合に限定しているが、国の基準ではICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)で治療を受けている患者も含めていると指摘。「25日の東京都の『重症者』72人は、国の基準に当てはめると678人になる。重症病床使用率もすでにステージ4=感染爆発だ」と述べました。
また、医療機関からも「ベッドが満杯に近い」「入院させられない」などの声が寄せられ、自宅療養者も急増しているとして、「東京では医療ひっ迫がすでに起きている」との認識を重ねて示しました。
小池氏は、日本共産党の志位和夫委員長が22日に「命を守ることを最優先にする立場を揺るがず貫き、開会途中でも中止を決断することを求め続ける」との声明を発表したことに言及。「いまの感染状況を考えれば、声明発表時点よりもさらに深刻になっている」と強調しました。
また、「政府の中からも『東京都で入院すべき人が入院できないような状況になったら大会の中止も考えるべきだ』との発言が出ているが、重症者が入院できなくなる事態になったら、手遅れだ」と指摘。五輪選手など関係者に153人もの感染者が出ていることも示し、「(感染から守る)『バブル』の崩壊は明らかだ」として、「この深刻な事態のもとで、命を最優先にし、コロナ対策に全力を集中すべきだという立場から、五輪の中止を、そして徹底した感染対策、ワクチンの安全で迅速な接種、大規模なPCR検査、十分な補償、医療機関に対する全面的で強力な支援を強く求めていきたい」と表明しました。
(「しんぶん赤旗」2021年7月27日付より)