「これでは守れるはずの命が守れなくなる」―。日本共産党の宮本徹議員は4日の衆院厚生労働委員会で、政府が新型コロナウイルス患者の入院を制限し、重症患者や重症化リスクのある患者以外は自宅療養を基本とするよう方針転換したことを批判し、政府方針の撤回を迫りました。
宮本氏は「新型コロナの特徴は、症状の悪化が急激に進むことだ」として、1人暮らしの自宅療養では、症状が一気に悪化して、連絡もできずに命を落とすケースが生まれると指摘。田村憲久厚労相は質問にまともに答えず、「在宅で対応できる方々に、在宅をお願いしたいといっている」などの答弁を繰り返しました。
宮本氏は「(医療側は)いくら健康観察や訪問診療の体制を強めたとしても、急激な症状悪化は把握しきれない」として、「自宅療養の問題点を認識すべきだ」と厳しく批判しました。
また、宮本氏は、新型コロナでは適切なタイミングで適切な医療をしてこそ重症化を止められるにもかかわらず、「自宅療養が基本では、治療のスタートが遅くなり、重症者が増える」と指摘。これに対しても田村厚労相は、まともに答弁できませんでした。
宮本氏は、臨時の医療機関の設置や、宿泊療養ホテルに医師・看護師を増強するなど、「24時間の看護、診療、健康観察できる体制の拡充を目指す姿勢こそ示すべきだ」と迫りました。
(「しんぶん赤旗」2021年8月5日付より)