小中学生らをパラリンピックに動員する学校連携観戦を予定していた東京都江東区(山﨑孝明区長)が24日、参加の中止を決めました。同日、江戸川区も中止を決定しました。
江東区は中止の理由について「新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないことやこどもたちの感染が増えている」としています。
山﨑区長は学校連携観戦の熱心な推進者で「全力で実現に努力してきた」(今年7月9日。第2回定例会)と述べるなど参加に固執してきました。
同区内の累計感染者数は、7月が1998人だったのに対して、8月はすでに3167人(23日現在)と、1・5倍以上に達しています。
隣の江戸川区でも「新型コロナウイルスの感染状況が拡大していることを鑑み」中止を決定しました。
「江東の教育を考える会」が、教育委員会に学校連携観戦の中止を要望するなど、区民から反対の声が上がっていました。
今年5月から学校連携観戦に反対してきた江東区の女性(35)は「子どもの命と健康を守ることができた。世論が動かした」と喜びます。18日から集めた反対のネット署名は5日間で5万人集まり23日、江東区長宛てに提出。「すごい。一人の声がみんなの声となった。今度は東京都が中止を発表してほしい」と話します。(遠藤寿人)
(「しんぶん赤旗」2021年8月25日付より)