日本共産党の和泉なおみ東京都議は5日の都議会代表質問で、小池百合子知事が都立・公社病院の地方独立行政法人化を強行しようと、法人の組織形態や業務内容を定める定款議案を定例会に提出したことを批判し、撤回を迫りました。
和泉氏は、都立・公社病院が都内の新型コロナウイルス対応病床の3割、2000床を確保し、透析患者、妊婦、障害者らを受け入れていると指摘。「都立病院が都直営で、公社病院も都立に準じて運営をしているからこそ、こうした機動的対応ができる」と述べました。
和泉氏は、公立病院の緊急時の役割を軽視し、縮小・削減してきた新自由主義的な医療政策の根本的誤りがコロナ禍で浮き彫りになったとして、「都立・公社病院を抜本的に充実・強化することこそ必要」と批判。独法化した都健康長寿医療センターでは、独法化後に病床を161床減らし、差額ベッドを大幅に増やした事実を示し「行政的医療を切り捨て『稼ぐ医療』を優先するのが独法化だ」と追及しました。
和泉氏は、独法化に伴い公務員の身分を奪う法律はあるが、公務員に戻す法律がないことを示し「独法化は、失敗しても後戻りできない『片道切符』だ」と批判しました。
小池知事は独法化準備を「着実に進める」と強弁しました。
和泉氏はまた、コロナ第6波を起こさないと同時に、第6波が起きた場合の対策が必要だとして、大規模検査と医療体制の抜本的強化、事業者への十分な補償と都民生活への支援を求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年10月7日付より)