原田都議「必要な医療が後退」 都立病院 独法化「定款」を可決

都議会 本会議

 都議会第3回定例会は13日に本会議を開き、新型コロナ対策に3490億円の補正予算案や37議案を可決し、閉会しました。最大の焦点となった都立・公社病院を地方独立行政法人「都立病院機構」に移行する「定款」議案は、自民党、都民ファースト、公明党、東京維新の会、東京みらいの賛成多数で可決しました。日本共産党、立憲民主党、自由を守る会、生活者ネット、グリーンな東京は反対しました。

 討論に立った日本共産党の原田あきら都議は、「独法化の真の目的は都の財政支出の削減」「経営効率優先の運営が求められ、不採算であっても都民のために必要な行政的医療は後退する」と批判しました。
 原田都議は都立・公社病院について、都内全体のコロナ病床の3割、2000床を確保し、他の医療機関では受け入れが難しい透析患者、妊婦、障害者などに医療を提供するなど、大きな役割を果たしていることをほとんどの会派が高く評価していると強調。「コロナ対応で独法化しなければ解決できない重大な不都合があったのか」との質問に、都は答えることができなかったとして、独法化しなくても「何ら不都合はない」と断じました。
 さらに、コロナ感染が深刻だった8月27日に小池百合子知事が独法の法人設立を22年7月と決めたことについて、「都民の命より独法化を最優先したもの」と厳しく批判。今やるべきこととして、第6波を防ぐために、ワクチン接種と一体の大規模検査を提起。保育園、学童保育などで感染があった際のPCR検査実施への支援開始や、放課後等デイサービスなどへの対象拡大を検討するとの答弁を評価した上で、無症状者からの感染拡大防止のために、学校や保育園などでもスクリーニング検査を実施するよう求めました。
 共産党都議団が提出したコロナ禍で苦しむひとり親家庭に対する児童育成手当を、子ども一人当たり月額2000円引き上げる条例提案は賛成少数で否決されました。

立憲「医療再考を」

 立憲民主党の風間ゆたか都議は討論で、独法化について「新型コロナの感染拡大を繰り返すこの時期に、性急に進める必要性については、委員会質疑を通じても明らかにならなかった」「都民に求められる医療体制が大きく変化した今、行政的医療における感染症医療や公衆衛生のあり方を検証し、ポストコロナの医療の再考を先に取り組むべきではないか」とのべ、定款条例に反対しました。

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