格差と貧困、国政私物化にまみれ、コロナ失政で多くの犠牲を出した「安倍・菅政権」を引き継ぐ岸田政権の継続か、市民と野党の共闘でつくる国民の声が生きる新しい政権か―。政権選択が最大の焦点となった衆院選は、31日が投票日です。政党の支持そのものが争われる比例ブロックは各党とも重視し、一票を争う大激戦、大接戦です。日本共産党は「政権交代の最大の推進力となるのが比例での共産党躍進」と位置付け、「『比例は共産党』を広げに広げてほしい」と訴えています。
政党名で投票する比例選挙。東京ブロックでは、定数17をめぐり、各党とも前回議席からの前進をかけて政党間のし烈なたたかいが激化。日本共産党は得票110万票以上、得票率20%を目標に、前回の2議席を確保し3議席を奪還、さらに史上初の4議席を目指しています。
日本共産党東京都委員会は「私たちの訴えが届いたところでは、期待が大きく広がっていますが、まだ自公を少数に追い詰めるところまでにはいっていない。野党共闘の底力を発揮して政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権を勝ちとるために、東京が一つになって『比例は日本共産党』の声を広げに広げてください」と呼びかけています。
与党の自民、公明両陣営は、野党共闘に危機感を強め、「野合だ」「選挙目当てだ」などと攻撃する一方、業界・各種団体などの組織力を総動員しての宣伝・組織活動を展開。野党・各党も「比例は○○党」を徹底。前回議席に届かなかった日本維新の会、れいわ新選組、国民民主党、社民党も、議席獲得へ総力をあげています。
小選挙区19で野党統一
東京の25ある小選挙区中、野党が統一し、事実上の与野党対決は19区。そのうち日本共産党公認候補が立っているのは4、12、20区の3選挙区です。日本共産党は、この3選挙区を含む野党統一候補の全員当選のために全力をあげています。また立憲民主党のほか、社民党、生活者ネット、れいわ、緑の党の各党・候補も選挙区の状況に応じて他党の統一候補を応援するなど、野党共闘が大きく前進しています。
東京12区 池内勝利へ多彩な応援
日本共産党の比例東京ブロックの単独候補4人は、連日駆け巡り、小選挙区候補や各分野の共産党後援会とともに日本共産党の躍進を訴えています。前職で比例単独の笠井亮候補は23日、東京12区の野党統一候補で共産党の池内さおり候補(元、比例重複)の応援に駆けつけました。
笠井氏は、コロナ禍のもとで415人もの子どもが自殺し、自宅療養の名の下で“自宅放置”で亡くなった人が8月だけで250人、コロナ倒産は2000件を超えたと紹介。こうしたことに反省なく自己責任を強調してきた自公政治を、岸田政権には変えられないと指摘。
野党共通政策を示したうえで、政権交代でこそ命と暮らし、営業などが守られる政治に切り替えることができるとのべ、「政治のゆがみに大本からメスを入れ、新しい政権を支える国会議員団をつくるために、比例で共産党を大きく伸ばし、12区では池内候補を当選させてほしい」と訴えました。
池内候補は男女の賃金格差を容認する、性差別の政治をただちに変えないといけないと強調。「女性が自分の色で輝いて自分の人生が生きられるジェンダー平等社会をみんなでつくりましょう」と力を込めました。
6歳になる子どもと声援を送っていた女性(47)=北区=は「池内さんは若い人たちのところに足を運んで、いろいろな状況を知っているのでジェンダー問題に一番期待します。子どものこともよく見ていますね。必ず国会に戻ってほしい人です。友だちにも支持を広げます」と話しました。
池内候補のもとには、立憲民主党の青木愛参院議員、元文部次官の前川喜平氏らが応援に駆けつけ、ジェンダー問題に取り組む市民活動家をはじめ幅広い人たちの支援の輪が広がり、無党派層にも支持を広げています。東京で唯一議席を守ってきた公明党前代表の後継候補(前、自民推薦)と激しく競っています。
東京20区 宮本氏応援で共同街宣
20区は日本共産党の宮本徹候補(2期、比例重複)が野党統一候補で、自民党の現職で官房副長官の木原誠治氏との争いです。
宮本候補は21日、西武新宿線・久米川駅前(東村山市)で、共産党の小池晃、立憲民主党の石川大我両参院議員、生活者ネットの白石えつ子市議、俳優の森崎めぐみ氏、弁護士の河村文氏の多彩な応援を受けて街頭演説。各党と市民連合ののぼり旗が立ち並ぶ広場には、足を止めた人の輪が幾重にもでき、熱気に包まれました。
応援に駆けつけた立憲民主の石川議員は「弱い立場の人に寄り添い、手を差し伸べるのが政治の役割。そのために必要なのが宮本徹さんです。市民と野党の統一候補として小選挙区で勝たせましょう」と熱く訴えました。
東京20区に小池氏応援「政権交代へ共産党躍進」
生活者ネットの白石市議は「障害があっても多様性を認め合って、その人らしく地域で生きていけるために希望がもてる政治になってほしい。そのためにも宮本徹さんを応援します。生活者ネットも全面的に支持します」と力を込めました。
大きな拍手を受けてマイクを握った宮本候補は、「国民の声が届かない政権を代えるために野党は大同団結してたたかっています。私がここで勝ち抜くことが政権交代への道、宮本徹への一票は政権交代への一票です。立場の違いを超えて勝ち上がらせてください」と気迫を込めて訴えました。
小池氏は、「政権交代のためにも、新しい政権を支えるためにも共産党の議席が必要だ」とのべ、宮本候補の小選挙区での当選と、比例での共産党躍進を呼びかけました。
訴えを聞いた女子学生(21)は「高い学費に苦しんでいる友人がいるので学費を半額にと公約している共産党に期待しています。私は福祉・医療の道を目指しているので、みなさんが話していたように国民の命を守れる社会にしたいです」と話しました。
東京4区谷川氏当選で 世直しを
4区は出馬を予定していた立民元職の井戸まさえ氏が15区に転出。谷川智行候補(新、比例重複)が野党統一候補として、自民前職、日本維新の会新人と議席を争います。
谷川候補は21日、JR蒲田駅西口(大田区)で、応援に駆け付けた立憲民主党の塩村あやか参院議員、日本共産党の小池晃書記局長とともに街頭演説を行いました。
塩村氏は「国公立大学の授業料は昭和40年代と比べて約155倍も跳ね上がった。一方、物価は約4倍。国がきちんと分配しないから負のスパイラルで少子化が進んでいる。総選挙ではコロナ対策に重点を置き、医療を、そして命、暮らしを守らねばならない。医者の谷川さんなら実現できる」と声援を送りました。
谷川氏は15区に回った井戸氏に感謝を述べ、「今回野党は本気の共闘体制ができた。野党共通政策20項目に加え、市民連合おおたの会のみなさんと政策協定を結び、大田独自の願い4項目を追加した。大田区の宝である中小企業、町工場をしっかり守るため、必ず勝ちましょう」と力を込めました。
小池氏は、谷川氏が医師としてコロナ治療の最前線でたたかってきたと強調。「困っている人がいると聞くと駆け付け、医療相談、食料支援を行ってきた。本当の意味で命と暮らしを守る〝世直しドクター〟」と訴えました。