市民と野党の共闘に効果
政権選択を最大の焦点に、選挙史上初めて本格的な野党共闘のもとでたたかわれた総選挙(総定数465)は10月31日、投開票されました。日本共産党は小選挙区の沖縄1区で「オール沖縄」でたたかった赤嶺政賢氏が当選し、比例では416万票(得票率7・26%)9議席、合計で10議席を獲得しましたが、改選比で2議席後退しました。東京では比例ブロックで前回より5万2008票を増やして笠井亮、宮本徹両氏が当選し、2議席を守りました。一方、自民党は前回より23議席(東京では3議席)減らしたものの、単独でも過半数を維持しました。
日本共産党都委員会は投開票の翌11月1日、比例で当選した笠井、宮本両氏と小池晃書記局長・参院議員が、新宿駅西口で投票結果報告の街頭宣伝を行いました。
笠井氏は「希望の持てる未来を自分たちで決めたいという若い人たちの熱いまなざしに触れました。ジェンダー平等、気候危機打開を目指す日本共産党は素敵だなという言葉ももらいました。新しい日本へのチャレンジのために共に力を尽くしていきたい」。宮本氏は「公約を実現するために市民のみなさんと力を合わせて全力で頑張ります」と力を込めました。
小池氏は「比例代表東京ブロックでは、みなさんの力で2人の論客の議席を守り抜くことができました。引き続きこの国の政治を変えるために力を合わせて頑張ります」と表明し、支援に対する感謝をのべました。
東京の比例で共産党が、前回総選挙(2017年)、参院選(2019年)、今回の総選挙と3回連続して得票を増やしていることについて「共産党が野党共闘に全力をあげてきたが、都民から支持、共感を得ているのではないか」と指摘。さらに都知事選、都議選と共闘を積み重ね、今回は共産党の野党統一候補に立民をはじめとする野党議員や市民が応援に駆けつけてくれた選挙戦になったと紹介。
今回の総選挙の対決構図が自民・公明対野党共闘という選挙となり、共通政策、政権協力、候補者一本化の努力を積み重ね、全国214小選挙区で一本化が実現し、62区で自民党を倒して勝利できたと報告しました。
その中には甘利明氏が現職幹事長として初めて小選挙区で落選するという、自民党にとって衝撃的な事態も生まれています。また東京では立憲民主党が小選挙区で8議席に倍増し、東京8区では立憲の吉田晴美候補が石原伸晃候補を倒すという結果も出ています。
小池氏はこうした結果を示したうえで、「明らかに野党統一の候補者が接戦をつくり出し、自民党を追い詰める成果をあげたのは間違いない」と強調。一方、「本格的な野党共闘は初めての挑戦だけに、いろいろな課題も見えてきた」とものべ、「しっかり分析して次のたたかいに何を生かすか、しっかり考えていきたい」としました。
その上で、憲法をないがしろにし、国民の暮らしを踏みつけ、国会も開かず公文書を改ざんするような政権は終わりにしなければならないとして、「新しい政権にするためには、今進めている市民と野党の共闘の他にはない。チャレンジを続けていく」と力説。「総選挙は終わったが、私たちの仕事はこれからが本番。公約実現のために日本共産党は引き続き頑張る決意です。市民と野党の共闘をさらに進めて政権交代に歩みを進めるためにも、来年の参院選にむけて大きなご支持、ご支援を」と呼びかけました。
東京比例で前進
共産党は小選挙区では公認候補と野党統一候補の勝利のために全力で奮闘。公認候補の当選には及ばなかったものの、立憲民主党の16人の共闘候補のうち7人が当選。また接戦に持ち込み比例で復活当選した4人全員が共闘候補でした。
当選には届かなかったものの公示1週間前に4区から15区に転出し、野党共闘で善戦した井戸まさえさん(立憲・元)は、東京民報の取材に「時間は当然たりなかったが、できることはやったなという感じはしています。私が4区から15区に移ったことで野党共闘の選挙区がさらに増えて、8区で議席を獲ったことで、自分の使命は果たしたのかなと思っています」と話しました。
比例ブロックでは、共産党は前回より5万2008票を増やし、67万340票を獲得し、2議席を確保。一方、れいわ新選組が初めて1議席を獲得。立民は得票は減ったものの議席を維持。一方、前回議席に届かなかった日本維新の会が2議席を獲得。自民、公明両党は議席を維持しました。