気づかれにくい実態 対策の強化求める声
日本共産党東京都議団は6日、インターネットでのアンケートによる「東京都内の『電車・駅での痴漢』、『盗撮』被害と対策の調査結果」について記者会見しました。11月14~23日の10日間で、1192人分の声が寄せられたものです。福手ゆう子、米倉春奈、斉藤まりこの各都議が報告しました。
昨年の調査で、特に多かった電車・駅の被害と、「盗撮被害の調査もしてほしい」との声に応えたものです。対象は東京都内の路線を利用する人で、回答者の96%が女性。年齢は39%が19~29歳で30代が33%、18歳以下も38人から回答がありました。
痴漢被害の状況では、「電車内で痴漢にあったことがある」は89・8%におよび、「目撃したことがある」は29・7%でした。福手氏は「周囲が気づきにくい状況が改めて浮かび上がった」と指摘しました。
盗撮被害では、「盗撮されたことがある」は24・6%、「目撃したことがある」は20・6%で、人に指摘されるまで気づかないなどの実態があり、被害はもっと深刻な可能性があります。
痴漢や盗撮をなくすために必要だと思う対策については、約8割が「人権教育」と「性教育」を選択。学校の対応の改善や、警察などによる取り締まりの強化を求める声もありました。女性専用車両の拡充を求める声も5割を超えました。
福手氏は「深刻な人権侵害であり性暴力である痴漢・盗撮の加害を無くし、誰もが安心して暮らせる東京にするために都議団として引き続き都に求めていく」と話しました。
党都議団痴漢アンケート 専用車両増 要望も
日本共産党東京都議団が6日の会見で発表した「東京都内の『電車・駅での痴漢』、『盗撮』被害」に関するネットでのアンケート調査結果では、深刻な被害実態が明らかになりました。
具体的な被害では、「性器を触られた」が21%、231人もいました。「高校生の時、朝の満員電車に乗り込んだのと同時に、身動きがとれない状態で前方の男性が制服のスカートの中に手を入れ、執拗(しつよう)に撫(な)でてきた」「足がつかなくなるほど満員の電車でスカートの下から女性器に手を入れられた」など。「ショックで引きこもりがちになり、月に1度はクリニックを受診」「電車が苦手になり、仕事を辞めざるをえなくなった」など、その後の人生に深刻な影響を受けています。
「盗撮被害」では、「足の間にねじ込まれたトートバッグ内にカメラのレンズが確認できた」「ホームで並んでいた後ろからスカートの中を盗撮された」「隣の席から堂々とずっと動画を撮られていた。怖くて何も言えなかった」などがリアルに。
啓発ポスターが「盗撮・痴漢にご注意ください」など被害者に注意喚起していることに、「被害者へのバッシングになるのでやめて」「加害をしないでというポスターにかえて」の声も多数。
「女性専用車両」では、「すべての路線に設置を」「終日運転を」など「増やしてほしい」が最多。「『男性差別だ』と主張する人に、専用車両の趣旨や意義の説明に責任もってほしい」「設置車両が端っこで利用をあきらめた」などの声も多く寄せられました。
(「しんぶん赤旗」2021年12月6日付より)