全国労働組合総連合(全労連)と東京地方労働組合評議会(東京地評)は、すべての争議の早期解決を求めて2日、争議支援総行動を行いました。20社の門前で訴えるとともに交渉団を送り、解決に向けて対応するように求めました。
当日は早朝から4つのコースに分かれて行動が展開されました。複数に分かれて訴訟が行われているKLMオランダ航空日本支社前(港区)では、雇止めにあった元客室乗務員らがマイクを手に訴えました。
同社ではアムステルダムと日本を結ぶ路線には契約制の日本人客室乗務員が乗務し、オランダ人と同様の仕事をこなしています。2018年7月以降は経験豊かな日本人の雇止めを次々と強行する一方で、同人数の新規採用を実施。
これらの対応は労働契約法18条により5年を超える場合、無期雇用への転換の権利が生じることを防ぐためだと推測されます。しかし、同社の本拠地オランダでは3年を超えると同じ権利が生じるために矛盾を生じさせています。
また、研修地は本国のオランダであり、本国の客室乗務員組織に組み込まれて労務管理されていることから、国籍による人種差別の側面も否めません。
「パワハラ降格争議」「AI不当労働争議」「定年後再雇用賃金差別争議」と3つの争議を抱えるJMITU日本アイビーエム支部は、IBM箱崎ビル前で抗議の声をあげました。応援する他労組のメンバーも集まり、「リストラの毒見役」を自称する同社に問題の早期解決を迫りました。
差別許さない
日本一長い争議と言われる明治乳業の争議は最長で36年越しのたたかいです。同社では労働者を「白組」「赤組」「雑草組」と分断して労務管理を行い、賃金や昇給に徹底して差別を行ってきたとして、被差別労働者が実態を告発し解決に向かって真摯に向き合うよう求めました。
アルバイト・パートが従業員の9割を占めるフジオ・フードサービスは、正社員以外の休業補償などを拒む一方で非正規労働者に店舗責任者を任せています。休業補償を求める調停にも欠席するなど「不誠実な対応を続けることは許されない」と首都圏青年ユニオンの若者らが対応を求めました。
最後は、大晦日の不当解雇から11年目を迎えようとしている日本航空前に全参加者が集結。「働きながら子育てをするために職場改善を求めてきた客室乗務員を、年齢で解雇することはジェンダー平等の観点からも正されなくてはいけない」との訴えに多くの拍手が上がりました。
この日はNEC、笹川保健財団、東京美々卯、厚生労働省などの前でも当事者・支援者が解決のテーブルに着くことを求めました。