自由法曹団
自由法曹団は20日、東京都八王子市に対し、生活保護を利用しようとする人に市が最初に渡す「保護のしおり」について、あり方の見直しを求めて要請しました。
要請で自由法曹団は、都内の全自治体の保護のしおりを調査した結果、生活保護の入り口である保護のしおりに不適切な記述があり、読んだ人に誤った理解を生むと指摘。生活保護の重要性が高まる一方で、利用をためらう人が多いと述べ、しおりの改善と生活保護の利用促進に取り組むよう求めました。
黒岩哲彦弁護士は「困窮しても生活保護を嫌がる人が多い。生活保護は権利だと市が強いメッセージを発するべきだ」と訴えました。
自由法曹団は、八王子市のしおりで、生活保護の利用前に活用すべき法制度として貸付型の制度を記載していることは誤りだと指摘。「借金である貸付制度を利用しなくても生活保護は利用できる。速やかに削除訂正を」と求めました。
離婚時の慰謝料の請求や親族に援助を求めることを、生活保護より優先するよう記載していることも明確な誤りであり削除すべきだと強調しました。
また、同市で生活保護利用者の男性がケースワーカーから人格を否定する発言をうけたことを告発し、再発防止を求めました。
市の担当者は「しおりは見直し中で反映できるものはしていく」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2021年12月22日付より)
自由法曹団東京支部は7人の団員を含む、23人で八王子市の保護のしおりと生活保護の考え方の改善を求める要請行動をおこないました。黒岩自由法曹団東京支部支部長は「東京都内全自治体のしおりを集め分析をした。八王子をはじめ、多くの市のしおりは生活保護が権利であるという内容は問題」と訴える。 pic.twitter.com/mZXXGXrE1z
— 自由法曹団東京支部 (@dantokyoshibu) December 22, 2021