清原氏勝利と共産党5議席 廃校止める決定打
市長・市議選
東京都町田市の石坂丈一市長と自民、公明などは、少子化、老朽化を口実に市内小中学校の約3分の1を廃校にしようとしています。
市は、建て替えや改修費用がかかる学校を統廃合すると説明していますが、学校の建設・回収にかかる経費は、国の予算も入り、市債なども活用するため、不要不急の大型開発見直しで財源は確保できます。多摩26市で、これほど大規模な廃校計画を持っている自治体はほかにありません。
自公など推進
市議会では昨年、小中学校の存続を求める請願を、日本共産党と他1人が賛成したのに対し、自民、公明、維新などが反対し不採択に。統廃合について慎重な審議をもとめる請願も不採択になりました。
自民党は「計画的に推進していく必要がある」、公明党は「統合する利点を早く示して、理解を進めてもらうことが必要」などと推進の立場です。
20日投票の町田市長・市議選で、この問題が大争点となっています。
共産党のとのむら健一、細野りゅう子、佐々木とも子、田中美保、大野まことの5人の市議候補は、今でも1~2キロの距離を20、30分かけて投稿する児童・生徒もいるのに、統廃合で4キロも歩くことになる例も出てくるなど、通学が大変になると強調。また、学校は住民にとって大切な地域のコミュニティの場であり、災害時の避難所であると指摘しています。
少子化の口実に対し共産党は「少人数学級を進めて、子どもに目が行き届く教育が必要だ。市議団を4から5人に増やして統廃合を止める決定打に」と訴えています。
市長選は6人が立候補。現職の石坂氏は統廃合を推進、自民党が推す吉原修氏、日本維新の会公認の奥澤高弘氏は統廃合計画の見直しを掲げますが、同党の市議候補が市議会でとってきた態度には全く反省がありません。
日本共産党、立憲民主党、社民党、れいわ新選組、生活者ネット、緑の党が推薦する清原おさむ氏は「子どものことを考えないコストだけの小中学校統廃合を見直す」と明言。少人数学級の実現を公約に掲げています。
「学校残して」
新日本婦人の会町田支部の沢田シヅ枝さんは「中学校から『僕の学校がなくなるの?』『今の学校が好きだからなくさないで』と声をかけられた。『少子化だから、お金がないから』という市の態度に市民から大きな反感と不満がでている。『小中学校をなくさないで』の声をあげていく」と話しています。
(「しんぶん赤旗」2022年2月16日付より)