日本共産党の笠井亮議員は16日の衆院予算委員会分科会で、2020年10月に発生した東京都調布市内の住宅街の陥没事故で停止していた東京外環道トンネル工事を再開するなと斉藤鉄夫国交相に求めました。
事故現場の地盤補修や難工事とされる箇所の工法さえ決まっておらず、掘進を再開しても本線がつながる見通しがないことが、質問を通じて明らかになりました。
すでに当初の1・8倍の2兆3573億円となっている事業費の事故による増額について、渡辺猛之国交副大臣は、「見通せる状況にはない」と答弁。笠井氏は、「掘屈を再開して莫大(ばくだい)な金をかけることをやめて、コロナ禍で深刻な国民の暮らしや医療に回すべきだ」と強調しました。
この事業に適用された大深度地下法について、笠井氏は「地上への影響を与えないことが大前提」と追及。斉藤国交相が「前提にしたものではない」と強弁したことに対し、同法5条で「安全の確保および環境の保全に特に配慮しなければならない」とし、国交省のパンフレット『よくあるご質問』でも「地上への影響は生じないと考えております」と明記していると指摘。現に陥没事故が起こったのだから、大前提を欠くと述べ、地下工事の中止と大深度地下法廃止を強く求めました。
さらに、事業を認可した国交相の責任を果たすとともに、大臣自らが現場に行き、住民の声を聞くべきだと提起しました。
(「しんぶん赤旗」2022年2月18日付より)