海外での空爆は憲法違反 “敵基地攻撃”許されぬ / 衆院予算委で宮本徹議員

防衛相の「排除しない」発言 安倍答弁と矛盾

日本共産党の宮本徹議員は21日、衆院予算委員会で、岸信夫防衛相が16日の予算委員会で敵基地攻撃の具体化として、他国の領空で空爆することも自衛の範囲として「排除しない」と答弁したことについて、「外国に出かけていって空爆を行うことは(自衛のための)必要最小限度を超える」とする安倍晋三元首相の答弁とも食い違っていると述べ、「敵基地攻撃能力が憲法違反であることは明白であり、検討自体が許されない」と追及しました。


質問する宮本徹議員=21日、衆院予算委

 宮本氏は、安保法制が議論されていた当時、安倍元首相が「外国に出かけて空爆を行う、あるいは地上軍を送りせん滅戦を行うということは必要最小限度を超えるのは明確で、一般に禁止される海外派兵にあたる」(2015年7月3日、衆院安保法制特)と答弁し、他国への空爆は明白な憲法違反だとの立場を示していたことを指摘。「この解釈を引き継ぐのか」と迫りました。岸田首相は「引き継ぐ」と答弁しました。

 宮本氏は、岸防衛相が16日の予算委員会で他国の領空に入って軍事拠点を爆撃することも自衛の範囲として「排除しない」と答弁したことは安倍氏の答弁と矛盾していると述べ、答弁の撤回を求めました。岸防衛相は、安倍氏が憲法違反の対象としたのは湾岸戦争のような「大規模な」空爆のことだと強弁。宮本氏は「空爆を行えば罪のない市民に犠牲が出る。大規模であろうが、小規模であろうが憲法の枠内で認められるはずがない」と追及しました。

 「憲法・国際法の範囲内の検討」を繰り返す岸田首相に対し、宮本氏は「あたかも憲法の範囲内で空爆が許されるような態度は許されない」と厳しく批判。憲法9条を生かした平和外交の必要を主張しました。

(「しんぶん赤旗」2022年2月22日付より)

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