日本共産党の山添拓議員は9日の参院予算委員会で、東京外かく環状道路(外環道)工事の陥没・空洞事故について、住民置き去りで掘進を再開したと批判し、工事再開への沿線住民の不安の声に向き合い工事を停止するよう求めました。
東京地裁は2月28日、工事の一部差し止めを命じる仮処分を決定。しかし、陥没現場での工事再開の見通しが立たないもとで、同25日に陥没現場以外での掘進工事を再開しました。
問題の事故が起きた地点は、大深度地下法に基づきNEXCO中日本が事業者として認可されています。一方、NEXCO東日本は、認可事業範囲外での工事の資格がないにもかかわらず、工事を下請けに発注し、事故を起こしました。
東日本の認可範囲外での事業について「3者で協定を結んでいる」と釈明した村山一弥国土交通省道路局長に対し山添氏は、認可外の事業者に協定で丸投げできるなら認可の意味がないと指摘。「この点でも国には責任がある」と追及しました。斉藤鉄夫国交相は「事故の責任は第一義的に施工者にある」と弁解しました。
山添氏は、大深度地下法は地権者の同意や補償もないもとで工事を認めるもので、認可の大前提は“地上に影響がないこと”だと指摘。陥没事故後、国交省の説明が「大深度地下の使用認可は工事の安全を担保したものではない」へと変わったのは「事業者任せだ」と批判し、「影響は生じないという安全神話を改めるべきだ」として、工事の中止と同法廃止を求めました。
(「しんぶん赤旗」2022年3月10日付より)