刑法堕胎罪廃止求める 憲法と相いれず

参院法務委員会で山添拓氏

質問する山添拓議員=16日、参院法務委

日本共産党の山添拓議員は16日の参院法務委員会で、産むか産まないかの女性の自己決定権のリプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)が日本は著しく遅れているとして、刑法堕胎罪の廃止を求めました。

 社会権・自由権規約をはじめ国際人権規範が安全な中絶は女性の権利だと宣言する一方、日本は刑法で自己堕胎罪を処罰(212条)しています。山添氏はコロナ禍のもとでのドメスティックバイオレンス(DV)や性暴力など、望まない妊娠に苦しむ女性が少なくないと指摘。明治期の家父長制下で「胎児は父のもの」という前提でつくられた堕胎罪は、処罰されたというスティグマ=負の烙印(らくいん)を与えているとして、「家制度を否定し、個人の尊重を大原則にした日本国憲法とは相いれない」と廃止を求めました。古川禎久法相は望まない妊娠に対し「人間はさまざまな苦しみをもって生きるもの」と述べ、「堕胎罪廃止は考えていない」と答弁しました。

 また山添氏は、男性の同意があれば堕胎罪の違法性がなくなるとした母体保護法の「配偶者同意要件」(14条)は男性に選択権、決定権を与えるもので、「憲法で説明できない」と同条の廃止も要求。厚生労働省の川又竹男審議官は「女性の自己決定権をどう考えるか、議論を深めることが重要だ」と答弁しました。

(「しんぶん赤旗」2022年3月17日付より)

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