コロナ禍 政策委員長として
2020年1月の日本共産党第28回大会で田村智子参院議員(比例候補)は政策委員長に就任しました。その直後に国内で新型コロナ感染が拡大。田村さんは「政策委員長としての2年間は、国民の命、暮らし、営業を守るためのコロナとのたたかいだった」と振り返ります。抜群の国会論戦力で定評があり、「タムトモ」の愛称で親しまれる田村さんの2年間はー。
20年初めに国内で新型コロナ感染が確認され、安倍内閣がイベント中止要請。音楽・演劇関係者の収入が突然絶たれる事態に陥ります。
減収補償
3月、日本共産党緊急提言で「国からの要請による減収を補償する」ことを打ち出します。同月の予算委員会質疑は次のようなやりとりに。
田村さん フリーランス、自営業者、演劇や音楽関係者などへの直接給付は踏み出さなきゃだめだと思う。
安倍首相(当時)個別の損失を国が補償することは困難。
当時、野党の中でも「支援は必要だが補償までは…」という声がありました。田村さんは「従来の経済対策ではなく感染症対策として必要」など、野党の協議の中でも強調。他党からも「なるほど」と声があがりました。
ライブハウスなどの若者たちが「自粛と補償はセットでしょ」とオンライン署名を展開し、運動が大きく広がる中で、「自粛と補償は一体に」が野党の合言葉になります。
市民の運動と共産党をはじめとする野党の国会論戦によって、個別補償を拒否していた政府与党も態度を変え、持続化給付金、家賃支援給付金、文化活動への助成金制度の実現へとつながります。
東京都内などでライブハウスを運営する加藤梅造さんは「コロナ禍で真っ先に休業要請を受けたのがライブハウスでしたが、当初政府は『イベントの補償はしない』『まずは自助』との方針だった。そのような状況の中、補償の必要性を国会で主張していくれたことはとてもありがたかったです」と話します。
検査拡大
共産党は、感染抑制のためには検査が不可欠であることを一貫して主張。医療機関や保健所、自治体などから聞き取り、専門家の意見も踏まえて、第1波から第6波まで、その時どきに合わせた政策提言を次々明らかにしました。
第1波の緊急事態宣言が解除された直後、クラスターを防ぐために医療・介護施設での定期検査を提案。この提案の立場で、田村さんは、第2波のもとで、医師が必要と判断する検査は、診療報酬や介護報酬の仕組みにのせれば、自治体を通さずに国負担とすることが可能だと提案しました。
20年末からの第3波では医療・介護施設でのクラスターが原因として医療崩壊が起き、多くの命が奪われてしまいました。「大規模検査の戦略を持つべきだ」「無症状者への検査を」と、質問を繰り返す中で、政府も、医療機関・介護施設などへの定期検査、繁華街などへのモニタリング検査など、大規模検査の必要性を否定できなくなりました。
田村さんは言います。「感染抑制のための政策を、政府は感染が深刻になってやっと始める。守れる命も守れない、政権交代しなければと実感しました」
(つづく)
たむら・ともこ 1965年長野県小諸市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2010年参院議員初当選、現在2期目。16年党副委員長就任。19年11月参院予算委で「桜を見る会」問題で安倍首相(当時)の私物化追及で注目を集める。今夏参院選で比例候補として3期目に挑戦。活動地域=東京・南関東(神奈川・千葉・山梨の3県)
(「しんぶん赤旗」2022年4月1日付より)